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邪淫
「邪淫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邪淫の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
らずや、さきの日汝が懺悔《こひさん》を聞きたる夫人も、「るしへる」自らその耳に、
邪淫《じゃいん》の言を囁きしを。ただ、わが心弱くして、飽くまで夫人を誘《さそ》う....
「人間失格」より 著者:太宰治
。検事は四十歳前後の物静かな、(もし自分が美貌だったとしても、それは謂《い》わば
邪淫の美貌だったに違いありませんが、その検事の顔は、正しい美貌、とでも言いたいよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めにかけられた鵜飼《うかい》の話が謡《うたい》の中にもあるわい。殺生も悪いけれど
邪淫《じゃいん》もよくない、女という奴、十悪と五障の身を持ちながら、あたら男を迷....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
娘を妻とした例多く挙げて基づくところの事実なしにかかる話は生ぜじ、またことごとく
邪淫の念のみに起ったと想われぬ、そもそも王家母系のみを重んずる諸国にありては、王....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
かかる善からぬ原因により生を享けたるものなるがゆえにその素質のなかにすでに不幸と
邪淫との種を植えられているのではあるまいか。(私は仏教の「種子不浄」という語を思....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
にはいきません、栗皮茶のような色に成りましたが、だん/\酔が廻りますと、もとより
邪淫奸智の曲者、おやまは年齢二十二でございます、美くしい盛りで、莞爾と笑います顔....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、ほうけた鼓草のように、散って、残っている。 近頃の新聞の三面、連日に、偸盗、
邪淫、殺傷の記事を読む方々に、こんな事は、話どころか、夢だとも思われまい。時世は....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
堀の定蓮寺で、今は破れても旧は大寺じゃ、此の寺の留守居をする出家を捉まえてそれに
邪淫の戒を犯せと云う、そないな事があろうかい、頼むに事を欠いてまア呆れた、そして....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
自然ですなおな愛慕の情を寄せるのであった。これまで家庭というものを持たず、ただ『
邪淫《じゃいん》』のみを愛してきた、老放蕩児にとって、こういうことはすべて思いも....
「多神教」より 著者:泉鏡花
俳優の妾か。 お沢 いいえ。 神職 聞けば、聞けば聞くほど、おのれは、ここだくの
邪淫を侵す。言うまでもない、人の妾となって汚れた身を、鏝塗上塗に汚しおる。あまつ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
かったかね?』 ハッと思って振り返れば外出したはずのドーブレクが、皮肉な笑いを
邪淫の口辺に洩しながら突立っていた。彼女の身体は谷まった。しかもルパンは来ぬ。否....
「暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
子」の原本を持って来て、面白そうな物語を片っ端から読みあげたが、そのうち、「逢怪
邪淫戒」と題する一篇から、はからずも、話に花が咲いたのであった。物語の筋は、喜平....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
どソリの合わない仲とみえる、忠顕の口にかかっては、さしもの朝廷僧|文観も、密教の
邪淫の秘法を後宮に行う破戒堕落の悪僧にすぎぬとばかり、あたまからくそみそな評価な....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
ような男は役に立たぬという社会、女郎に身売りすることを大きな孝行とほめる浪花節。
邪淫を犯した男女の心中の芝居に熱狂する市民。公娼禁止法が定まっても女の名称を変え....