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邯
「邯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
い。盧生は青磁の枕から頭をあげると、眼をこすりながら大きな欠伸《あくび》をした。
邯鄲《かんたん》の秋の午後は、落葉《おちば》した木々の梢《こずえ》を照らす日の光....
「名人伝」より 著者:中島敦
趙《ちょう》の
邯鄲《かんたん》の都に住む紀昌《きしょう》という男が、天下第一の弓の名人になろう....
「こころ」より 著者:夏目漱石
ても、外の人にとっても、徒労ではなかろうと思います。渡辺華山《わたなべかざん》は
邯鄲《かんたん》という画《え》を描《か》くために、死期を一週間繰り延べたという話....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いには煙を輪に吹いて見たり、竪《たて》に吹いたり、横に吹いたり、乃至《ないし》は
邯鄲《かんたん》夢《ゆめ》の枕《まくら》と逆《ぎゃく》に吹いたり、または鼻から獅....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
耐えている証拠であった。 水は地へ落ちて音を立てた。 面が一斉に眼を開けた。
邯鄲男、痩男、泥眼、不動、弱法師、岩壁に懸けられて夢見ていた、二百の面が彼女を見....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
一九八頁)。 『太平記』に唇亡びて歯また寒くは分って居るが、その次に魯酒薄うして
邯鄲《かんたん》囲まる、これには念の入った訳がある。楚の宣王諸侯を朝会した時、魯....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
アらしいこの婦人作家に、或る精神の抵抗を感じたらしく、謡曲から取材した「藤戸」「
邯鄲」「綾鼓」というような作品を書かれていることは興味ふかい。
邯鄲夢の枕の物語が....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
そこで滝の道を訊いて――ここへ来た。―― 泉殿に擬えた、飛々の亭のいずれかに、
邯鄲の石の手水鉢、名品、と教えられたが、水の音より蝉の声。で、勝手に通抜けの出来....
「印象」より 著者:宮本百合子
、河合武雄の着る洋服ではない型と味いとを見たい。 斯様な印象の後に来たので、「
邯鄲」は、随分、お伽噺的な愛らしさで、目に写った。巧くこなしたものだと思う。色彩....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
砂を拾うばかりなれば、纜も結ばず漾わせたのに、呑気にごろりと大の字|形、楫を枕の
邯鄲子、太い眉の秀でたのと、鼻筋の通ったのが、真向けざまの寝顔である。 傍の船....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
たまま、ふといつかペン・ネエムに用いた「寿陵余子」と云う言葉を思い出した。それは
邯鄲の歩みを学ばないうちに寿陵の歩みを忘れてしまい、蛇行匍匐して帰郷したと云う「....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
、おそらく宝船以上の宝《たから》の夢を得るであろう。しかしてかかる夢は普通にいう
邯鄲《かんたん》の夢でなくして、理想とも称すべきものであり、また人生の実際の一部....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、もっと罪の深い、そうしてもっと度胸の入る、凄い商売へ入り込んでしまった。 女
邯鄲師――それになってしまった。 道中や温泉場などで親しくなり、同じ旅籠へ一緒....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
で?」
「はいはい、さようでございますとも」女の声は愉快そうであった。
「娘師、
邯鄲師、源氏追い、四ツ師、置き引き、九官引き、攫浚付たり天蓋引き、暗殺組の女|小....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
後の心臓に擬せられたからとて、僕は躊躇《ためらう》だろうか。 *3 「
邯鄲之歩《かんたんのほ》」 まだ傷つけ忘れた場合はないかと、安全地帯を探して廻....