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邸中
「邸中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邸中の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
。 * 片岡陸軍中将は浪子の帰りしその翌日より、自らさしずして、
邸中の日あたりよく静かなるあたりをえらびて、ことに浪子のために八畳一間六畳二間四....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
天保|己亥《きがい》、春予以二所レ摂金穀之事一、奔二命於江都一、寓二龍口上
邸中一、一日奉レ謁二 君公一、啓二我所レ職封内民事一、乃 君公出二一小冊一、自手....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
して、急に熱でも出たように、部屋へ下って臥りましたそうな。お昼|過からは早や、お
邸中寄ると触ると、ひそひそ話。 高い声では謂われぬことだが、お金子の行先はちゃ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
といわるるで思いついた、お地蔵一体建立をといわっしゃる。 折から夏休みにの、お
邸中が浜の別荘へ来てじゃに就いて、その先生様も見えられたが、この川添の小橋の際の....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
すすり泣いたり、囁き合ったりしていたが、その悲しい、人を押しつけるような空気が、
邸中いっぱいに拡がっていて、二人の耳にも、入って来た。
「もし――有力な同志が出....
「地上」より 著者:島田清次郎
校から帰ったあとはもう来訪者があればその取次をしなくてはいけないと話した。やがて
邸中の女中が七人、一人ずつ初対面の挨拶をして行った。奥山が一々まことらしく、「よ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
居士は糞尿の始末を妹君にさせた。その時、「納豆々々」という売声が裏門に当る前田の
邸中に聞こえた。居士は、 「あら納豆売が珍らしく来たよ。」と言った。それから、「....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ったのだ。 真夜中。人通りはない。礫《つぶて》のような雨が頬を打って、見上げる
邸中の大木が梢小枝を揺り動かして絶入るように※《もが》くところ、さながら狂女の断....