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郁
「郁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
郁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
答えながら、妙に脂下《やにさが》った、傲岸《ごうがん》な調子で、
「今朝《けさ》
郁文堂《いくぶんどう》で野村さんに会ったら、君に言伝《ことづ》てを頼まれた。別に....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
すのを野蛮と云うんだ。」 お蔦は湯から帰って来た。艶やかな濡髪に、梅花の匂|馥
郁として、繻子の襟の烏羽玉にも、香やは隠るる路地の宵。格子戸を憚って、台所の暗が....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
皆目見当がつかなかった。気がついたのは――此際呑気な話であるが――なにかしら、馥
郁たる匂とでもいいたい香が其の辺にすることだった。 (麝香というのは、こんな匂い....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
川柳祭」寄贈をうく。徳川さん、正岡氏、吉田機司氏などを熟読す。 ◯きょうは鎌倉の
郁ちゃんの婚礼の日。招待を受けたが、この病体にて鎌倉まで行きかねるし、英も出した....
「河明り」より 著者:岡本かの子
、隣に座っている娘と、何か紙一重|距てたような、妙な心の触れ合いのまま、食後の馥
郁とした香煎の湯を飲み終えると、そこへ老主人が再び出て来て挨拶した。茶の湯の作法....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
常に他人と異っているのは、その息がペルシャの薔薇の花園よりもなお芳しい、一種の馥
郁たる香気を帯びていることであった。アレキサンダーは、若い征服者によくありがちな....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
片手で取って、ぐいと胸さがりに脇へ引いて、掻合わせたので、災難にも、私の手は、馥
郁とものの薫る、襟裏へ縫留められた。 さあ、言わないことか、花弁の中へ迷込んで....
「墓」より 著者:秋田滋
むうッとあがって来て、わたくしの顔を撫でました。ああ、彼女の床には菖蒲の香りが馥
郁と漂っていたのでありますが――。しかし、わたくしは棺を開けました。そして、火を....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
美しい丸い腹を太陽に向け、最上等のパイがいくらでもつくれそうである。やがて彼が馥
郁とかおる麦畑に通りかかり、蜂蜜の香を吸いこみながら見わたすと、うっとりするよう....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
後毛もない結立ての島田|髷、背高く見ゆる衣紋つき、備わった品の可さ。留南奇の薫馥
郁として、振を溢るる縮緬も、緋桃の燃ゆる春ならず、夕焼ながら芙蓉の花片、水に冷く....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。最初に藤崎商店に至り、代理人有川氏に会し、電車をかりて市街を通覧し、さらに青柳
郁太郎、上塚周平両氏に会し、ともに午餐および晩餐を喫す。席上所懐一首を得たり。 ....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
早稲田の森の青春 早稲田に入ったのは、大正六年で学校騒動で永井柳太郎、大山
郁夫氏等が教授をやめられた年の九月であるが、早稲田を志望したのは早稲田は大隈重信....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
田でも東大に負けてなるものかと、同八年高橋清吾、北沢新次郎の両教授に、校外の大山
郁夫教授が中心になって“民人同盟会”を作った。 しかしこの“民人同盟会”も、当....
「蘭郁二郎氏の処女作」より 著者:大倉燁子
「探偵文学」誌上で発表された時、非常な好評を博した蘭
郁二郎氏の「夢鬼」がこの度上梓された。私は早速また繰返して読んだ。いくたび読んで....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
蔡元培の式辞があり、沈鈞儒の略歴朗読があり、宋慶齢女史の告別の辞があり、章乃器、
郁達夫、田漢その他の告別の辞があった。私も葬儀委員として話した。式が了ると共に棺....