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「郎党〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

郎党の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鯉魚」より 著者:岡本かの子
《ちかごろ》ではまるっきり音沙汰《おとさた》もありません。噂《うわさ》には一族|郎党《ろうとう》、ほとんど全滅《ぜんめつ》だとの事です。すると、早百合姫に附添《....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
ていた――とこう申上げると、貴方は喜ばれるのでしょうが、実はその時間フルに、一族郎党ここに控えていたんです。それというのが、十一時四十分頃に、けだものの弁当の材....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
たのは三好清海入道よりまだ汚い、あらくれの坊主である。 「それがしは、信州真田の郎党、猿飛佐助幸吉と申す未熟者、御教授を仰ぎたい」 「上られい!」 草鞋を脱い....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
を見るこそよけれ」と、眼と眼を見かわしていたが、やがて酒を乞いて汲み交し、譜代の郎党共も呼び、ともに死別生別の杯を汲み交した。 浅井方の悲壮の決心推して知るべ....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
仁越中守、同将監、大和伊豆守等骨を砕いて戦った。三浦は、隆景を討たんとし、隆景の郎党、草井、山県、南、井上等又隆景を救わんとして、尽く枕を並べて討死をした。殊に....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
此様なところにある、……」 二人を相手にしての話では無かった。主は家隷を疑い、郎党は主を信ぜぬ今の世に対しての憤懣と悲痛との慨歎である。此家の主人はかく云われ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
い。」 「先生に貰ったんだ。弁持と二人さ、あとは巻莨だからね。」 「何しろ真田の郎党が秘し持った張抜の短銃と来て、物騒だ。」 「こんなものを物騒がって、一雪を細....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
対して親切にかばってくれました。――が、何を申しましても女の細腕、力と頼む一|族郎党の数もよくよく残り少なになって了ったのを見ましては、再挙の計劃の到底無益であ....
俊寛」より 著者:倉田百三
姫君とを伴うて鞍馬の奥に身をお隠しなされました。深いご恩をこうむっている数多くの郎党は自分の身にとがめのかかるのを恐れて皆逃げ去ってしまいました。私一人おともを....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
の一人として閑居していた。 聚楽第の西の花園の地に、手広い屋敷を営んで、家の子郎党も多少貯え、近郷の者には尊敬され、太閤秀吉にも認められ、殿上人にも親しまれて....
剣侠」より 著者:国枝史郎
った。 嘉門と多四郎とお妻と東馬、四人を乗せた駕籠を守り、十数人の嘉門の家の子郎党が、騒乱の領内から裏山づたいに、福島の方へ走り出したのは、それから間もなくの....
赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
に燃えつづいたが、寄せて来ようとはしなかった。 大将公綱を初めとし、紀清両党の郎党たちも、追々|惰気を催して来、しかも思い切って心を許し、眠に入ることが出来な....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
中略)アイヌ語の Emus とは、今太刀、刀の意なれども、もともと勇敢なる武士、郎党より転化したるものなり。エミシは即ちこれなるべし。 すなわち氏はアイヌの古....
間人考」より 著者:喜田貞吉
の上位にいる家人もまた中間としてみられる様になった。後にイエノコと訓読して家の子郎党と並称せられたものは、すなわちもと中間男に相当する「侍」で、国法上この家人階....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ち「家の人」で、その家に従属するものの義であろう。中世武士の従属者に「家の子」「郎党」などというものがある。これも畢竟は同義で、その家に属する人という義であると....