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「郡内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

郡内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
小道具などで、足の踏みたて場もないまでになっていた。その一方に床の間を背にして、郡内《ぐんない》のふとんの上に掻巻《かいまき》をわきの下から羽織った、今起きかえ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ん》に巣を食っていた奴だ」 「女のくせに草鞋《わらじ》をはきゃあがって、甲府から郡内の方をうろ付いて、それから相州の厚木の方へ流れ込んで、去年の秋頃から江戸辺へ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
右門は例のごとし――いいこころもちにふところ手で宿に引き揚げていくと、すっぽりと郡内かなんかの柔らかいやつをひっかむって、すやすやとすぐに快い寝息をたてだしまし....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もなんのその、ひとり寝をさせるには気のもめる、あの秀麗きわまりない肉体を、深々と郡内の総羽二重夜具に横たえて、とろとろと夢まどやかなお伽《とぎ》の国にはいったの....
婦系図」より 著者:泉鏡花
蒲団に乗ると、腰が沈む。天鵝絨の括枕を横へ取って、足を伸して裙にかさねた、黄縞の郡内に、桃色の絹の肩当てした掻巻を引き寄せる、手が辷って、ひやりと軽くかかった裏....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
間もなく、彼は病んで死んだ。 蜜蜂 宋の元嘉元年に、建安郡の山賊百余人が郡内へ襲って来て、民家の財産や女たちを掠奪した。 その挙げ句に、かれらは或る寺....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ていました。すると、ここに銭という大家がありまして、その主人は銭翁と呼ばれ、この郡内では有名な資産家として知られていました。銭の家には今年十七のひとり娘がありま....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
掛や追分のような、街道筋の宿駅とは違ったところがある。吉田だけは、江戸時代から、郡内の甲斐絹の本場を控えて、旅人の交通が繁かっただけあって、山の坊のさびしさが漂....
星女郎」より 著者:泉鏡花
せん。で、ちと薄ら寒いくらいだから――って……敷くのを二枚と小掻巻。どれも藍縞の郡内絹、もちろんお綾さん、と言いました、少い人の夜のもの……そのかわり蚊帳は差上....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
リしていない。 このホンモノの一ノ宮と自称しているのがオーカミイナリであった。郡内には諸村に金鑽神社があり、また北向明神というのが昔は五ツあったという。ほかに....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
噴く鉄瓶を提げて、すいと二階へ上って行く。 間早な事は、二階にもう鉄の火鉢に、郡内の座蒲団が二枚直してあった。 「ははあ、お火鉢の方は、先祖代々だけれど、――....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
を聞くに、左のごとし。 昨年十一月中旬より、山梨県北都留郡(すなわち、いわゆる郡内)大目村、杉本永山氏の宅に一大怪事現出す。今、その怪事の概略を記さんに、その....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
の大部分は、もはや国司所管の外に置かれたのであった。最も延喜の「神祇式」には斯波郡内の官社一社が載せられてあるが、これはおそらく古い「神名帳」のままを収録したも....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
延暦儀式帳にある。倭姫世記にも久求小野に久求社を定め賜うたとある場所で、今の度会郡内城田村上久具にその社はあるのである。その地は宮川の上流に瀕した山間の平地で、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
のにして、わが長崎港に類似す。背後の高山は大岩石、中空にかかり、一見わが豊後玖珠郡内の岩扇山に似たり。人家は二階造りにして、煉瓦壁多きも、屋根はトタンぶきを赤色....