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郤
「郤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
郤の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
泉とて素敵な浄水が湧出した、また朝廷から詰問使が来た時二虎石橋を守り吼えてこれを
郤《しりぞ》けた、『独異志』に劉牧南山野中に果蔬《かそ》を植えると人多く樹を伐《....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
馬五千を以て逆襲し、その勢いは猛烈である。 為に黒田勢三百余忽ち討たれて少しく
郤くのを、忠之怒って、中白｜上下に紺、下に組みの紋ある旗を進め励ます。睡鴎は然る....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
。秀子との会逅、其後の熱烈な恋愛、父母や親戚の人々の非難と反対、それを断乎として
郤けつつ払った犠牲、遂に自由恋愛を貫き通した結婚、それまでの経路を回想してみると....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
った。 彼は立ち上って腕を打ち振った。泣きたいような気持が寄せてくるのを強いて
郤けた。そして野村を訪れてみた。これからの生活を確めておくつもりだった。 野村....
「阿亀」より 著者:豊島与志雄
、肩を並べて出て行った。 僕は二回も負け、こんどは木谷が相手をしようというのを
郤けて、球の方は木谷と中年の男とに任したままぼんやり考えこんだ。残された青年の一....
「梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
に清らかな色彩に成り、余りに妙味ある樹に咲くが故に、人間離れのした感じを以て人を
郤けがちである。然しながら、梅花に眸を定めその香に心を澄すことは、必ずしも詩人に....
「都会に於ける中流婦人の生活」より 著者:豊島与志雄
は晴々とした明るさがある。 生の安楽ということは、明るい光を失わない限り、そう
郤けるべきものではない。日の光の中に咲き匂ってる花は、あのままでよいではないか。....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
と紙一重の差であることに気がついて、冷りとする時がある。然し僕はやはり、感傷をも
郤けないで、理想や信念と共に、心の糧としてゆきたいのだ。陳君にもこれから感傷を少....
「中里介山の『大菩薩峠』」より 著者:三田村鳶魚
与するから婿になれ、と富家から求められた時に、それでは学問をした効がないといって
郤《しりぞ》けて、独学することにして、長いこと小学校の教員をしておった。こういう....