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郭
「郭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
郭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
の顔は未《いま》だに目の前に残っている。いや、不良少年の顔ではない。ただどこか輪
郭《りんかく》のぼやけた清太郎自身の顔である。
五分ばかりたった後《のち》、Ｎ....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
した。中央に一座の山の聳えた、円錐《えんすい》に近い島の影である。しかし大体の輪
郭《りんかく》のほかは生憎《あいにく》何もはっきりとは見えない。僕は前に味をしめ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に顔をなぶらした。木部の事も思わない。緑や藍《あい》や黄色のほか、これといって輪
郭のはっきりした自然の姿も目に映らない。ただ涼しい風がそよそよと鬢《びん》の毛を....
「或る女」より 著者:有島武郎
などの愛子の卵形の顔形は美の神ビーナスをさえ妬《ねた》ます事ができたろう。顔の輪
郭と、やや額ぎわを狭くするまでに厚く生《は》えそろった黒漆《こくしつ》の髪とは闇....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
の道がだんだん太くなって国道に続く所まで来た頃には日は暮れてしまっていた。物の輪
郭《りんかく》が円味《まるみ》を帯びずに、堅いままで黒ずんで行くこちんとした寒い....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
上へ、真白《まっしろ》な形で、瑠璃《るり》色の透《す》くのに薄い黄金《きん》の輪
郭した、さげ結びの帯の見える、うしろ向きで、雲のような女の姿が、すっと立って、す....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
してさしこと乗っていた。筋肉質な君の顔は、どこからどこまで引き締まっていたが、輪
郭の正しい目鼻立ちの隈々には、心の中からわいて出る寛大な微笑の影が、自然に漂って....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るためであるということに気が付く順序になるはずである。しかるに月面に投じた影の輪
郭が円形であるから、従って地球は円いものであるという結論をしたに相違ない。ところ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
る。水も清く周囲の岡も若草の緑につつまれて美しい、渚には真菰や葦が若々しき長き輪
郭を池に作っている。平坦な北上総にはとにかく遊ぶに足るの勝地である。鴨は真中ほど....
「白い下地」より 著者:泉鏡花
感がする。悪くすると青黒くさえ見える意気がある。まったく色が白かったら、よし、輪
郭は整って居らずとも、大抵は美人に見えるように思う。僕の僻見かも知れぬが。 同....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
映る。 「御免遊ばせ。」 向うから襖一枚、颯と蒼く色が変ると、雨浸の鬼の絵の輪
郭を、乱れたままの輪に残して、ほんのり桃色がその上に浮いて出た。 ト見ると、房....
「橋」より 著者:池谷信三郎
の末まで浸みて行った。 雪解けの日の夕暮。――都会は靄の底に沈み、高い建物の輪
郭が空の中に消えたころ、上層の窓にともされた灯が、霧の夜の灯台のように瞬いていた....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
すか。」 表に夫人の打微笑む、目も眉も鮮麗に、人丈に暗の中に描かれて、黒髪の輪
郭が、細く円髷を劃って明い。 立花も莞爾して、 「どうせ、騙すくらいならと思っ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
なった。…… その内に、翡翠の背らしいのが、向うで、ぼっと大きくなり、従って輪
郭は朧になったが、大きくなったのは近づくので、朧になるのは、山から沼の上を暮増る....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
その後、三年のころだったか、八田校長が当時チョッキというアダ名で有名な蔵原惟
郭代議士（現共産党中央指導部にいる蔵原惟人氏の父君）を連れてきて講演させたことが....