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「郵便貯金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

郵便貯金の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
五十銭は老婆には大金であった。彼女はよくよく考えた末、その頃やや盛んになりかけた郵便貯金に預け入れた。 それから後というものは、老婆は懸命に人を救った。そして....
永日小品」より 著者:夏目漱石
《やなか》へ行って、亡妻のために立派な石碑を誂《あつら》えた。そうしてその余りを郵便貯金にした。それから五日ほど立って、常のごとく散歩に出たが、いつもよりは二時....
易と手相」より 著者:菊池寛
当信じられるような気がするのである。 易は、私は一度見て貰った。それは数年前、郵便貯金の通帳を失くしたときである。三百何円しか金額はなかった。私は数日家中を探....
郵便切手」より 著者:宮本百合子
物語をもたらす仲だちであった。私の子供の時分には、台帳に一枚ずつ切手を貼ってゆく郵便貯金のやりかたがあった。一日に一銭でも、二銭でも、切手を買って貼りつけていっ....
原爆回想」より 著者:原民喜
炒米、万年筆、小刀、鉛筆、手帳、夏シャツ、手拭、縫糸、針、ちり紙、煙草、マッチ、郵便貯金通帳、ハガキ、印鑑 これだけが、うまく詰めこんであった。かねて私は水の....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
て行けば、やれ天気がどうの、舗道がどうのと言って、やつあたりの小言を喰う。給料は郵便貯金に預けられてしまって、自分の手にはいるということはほとんどない。ほかの人....
古井戸」より 著者:豊島与志雄
松木の顔は、醜くどす黒く艶が失せて、眼ばかりぎょろりと光っていた。差出されたのは郵便貯金通帳で、光子の名前で千円近くになっていた。 彼は喉がつまって言葉が出な....
死の前後」より 著者:豊島与志雄
でもあるらしかった。そのためでもあろう、彼女はふだん極端に倹約で、給金の大部分を郵便貯金にしていた。娘から二十円三十円とまとまった小使をもらってくると、「奥さま....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
遣いをするから、それを師匠に預けることにした。当時はまだ銀行のこともよく分らず、郵便貯金などいうことはさらにありませんから、師匠に預けるのが一番確かでした。諸色....
帯広まで」より 著者:林芙美子
拾円にはとっくに手がついていて、もう二三円しか残っていなかったけれども、それでも郵便貯金の通帳を持っていると云うことは、単純な彼女にとって何とない力頼みでもある....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いつでも同じことです。ある人が銀行に預けてある一億円の金のうち一円だけを郵便局に郵便貯金として預け換えて置いたのを、ちょっと下ろしてまたもとの銀行へ収めたような....