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「都人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

都人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
は、そう思われるに相違あるまい。が、流人《るにん》とは云うものの、おれたちは皆|都人《みやこびと》じゃ。辺土《へんど》の民はいつの世にも、都人と見れば頭を下げる....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
あいて、ちゃっかりした抜け目のなさが感じられぬのは、さすがに本妻の気品で、他の京都人経営の喫茶店を嗤っているところもあり、 「おれ京都がいやになったよ」 と、....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
日本の奥までも吹き込んで、時々この辺に来る高慢な洋人輩《ようじんはい》や、軽薄な都人士等《とじんしら》の悪感化を受けた故《せい》もあろう。苛税《かぜい》誅求《ち....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
手近へ飛びかかって来る敵を扇で打ち払った。 犬の声があまりに激しいので、宵寝の都人《みやこびと》も夢をおどろかされたらしい。路ばたの小さい商人店《あきうどみせ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
たのである。反対されたのは構わなかったが、その時教授の息子である級長の根室が、京都人らしい陰険な眼を眼鏡の奥にぎょろりと光らせながら、ねちねちとした口調で、「毛....
俊寛」より 著者:菊池寛
寝がえりを打つと、すぐ自分の鼻の先に、撫子に似た真っ赤な花が咲いていた。それは、都人の彼には、名も知れない花だった。が、その花の真紅の花弁が、なんという美しさと....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ただのんきで人々すこぶる悠長に生活しているようにばかり思っているらしいが、実際は都人士の想像しているようなものではない。なまけ者ならば知らぬ事、まじめな本気な百....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
崎岬の、この可憐なる防空監視哨は、思い懸けない大手柄を樹てた。少くとも三百万の帝都人は、直ちに、避難と防毒の手配に着手することができた。所沢と立川との飛行聯隊、....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
て、事件が多くは江戸あるいは江戸人に親しみのある近国で発展したのが少なくも中央|都人士の興味を湧かさした原因の一つである。殊に一番人気のある信乃を主役として五犬....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
れを知らぬげに見ゆる武骨一遍の勇士のことを言いたるものなり。 これらはいずれも都人より関東武士を指せるものなれども、関東武士自身また、他より然か言わるることを....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
る。なお俘囚の長たる平泉の藤原氏や、東夷と呼ばれた鎌倉幕府が、都の文化を輸入し、都人を使役した様に、その富にまかせて里の文化の輸入をもしようし、気の利いた里人を....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
を憚らぬ。彼らの本来坂の住民たりしことが忘れらるるに及んでは、それが訛りの多い京都人によってサンカモノと転倒して呼ばるるに至ったものと思われる。かかることは上方....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
係において芸術と称するものを巧みに操っている芸人と、それを身の飾りに承けて満悦の都人士はいくらもあるばかりでなく、ますます増加しているかも知れない。私どもは中世....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
授けて、特に造らせしものに係る。これを結びたる天糸を釣る織細の釣具に比する時は、都人士の夢想にも及ばざる粗大頑強のものたるは言うまでもなし。 さて、小出し桶に....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
い何らかの職業に従事せねばならぬ。ここにおいて彼らは多く繁華なる都会に流れつき、都人によって職を求めんとする。或いは村落に寄生して、村人によって生活の道を講ずる....