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都会
「都会〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
都会の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
いなかもの》らしい父親ではない。綺麗《きれい》に口髭《くちひげ》の手入れをした、
都会人らしい紳士である。少年の顔に往来する失望や当惑に満ちた表情。紳士は少年を残....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
うにいい放った。彼の顔は見渡した所、一座の誰よりも日に焼けている。目鼻立ちも甚だ
都会じみていない。その上|五分刈《ごぶが》りに刈りこんだ頭は、ほとんど岩石のよう....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
みれた飾《かざ》り窓と広告の剥《は》げた電柱と、――市と云う名前はついていても、
都会らしい色彩はどこにも見えない。殊に大きいギャントリイ・クレエンの瓦屋根の空に....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
飯田河岸《いいだがし》と変らなかった。僕は当時|長江《ちょうこう》に沿うた大抵の
都会に幻滅していたから、長沙にも勿論豚の外に見るもののないことを覚悟していた。し....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
かく》の刺戟から聯想《れんそう》を生ずる結果らしい。そのまた嗅覚の刺戟なるものも
都会に住んでいる悲しさには悪臭と呼ばれる匂《におい》ばかりである。たとえば汽車の....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
とに大川は、赭《あか》ちゃけた粘土の多い関東平野を行きつくして、「東京」という大
都会を静かに流れているだけに、その濁って、皺《しわ》をよせて、気むずかしいユダヤ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を作らんとするものの志ではない。
又
文を作らんとするものは如何なる
都会人であるにしても、その魂の奥底には野蛮人を一人持っていなければならぬ。
....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
僕はこう云う寂しさを少しも不足には思っていません。しかしK君やS君は時々「我等の
都会に対する郷愁」と云うものを感じています。M子さん親子も、――M子さん親子の場....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
。僕はペンを休める度にぼんやりとこの雪を眺めたりした。雪は莟を持った沈丁花の下に
都会の煤煙によごれていた。それは何か僕の心に傷ましさを与える眺めだった。僕は巻煙....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
実生活上の趣味でも田舎者らしい所は沢山あります。それでいて官能だけは、好い加減な
都会人より遥に鋭敏に出来上っています。嘘だと思ったら、久米の作品を読んでごらんな....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
変化の激しい
都会 僕に東京の印象を話せといふのは無理である。何故といへば、或る印象を得るた....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
デビーが一八〇一年に始めてロンドンに出て来たときは、田舎生れの蛮カラだったが、
都会の風に吹かれて来ると、大のハイカラになりすまし、時代の崇拝者となり、美人の評....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
藁帽子をかぶり、きれいなリボンをつけ、あるいはまた白いドレスを着ているあたりは、
都会の最新流行のあらわれであった。息子たちは、裾を四角に切った短い上衣を着て、ぎ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
を探しあてただとよ」 そう聞くと、二人はすぐさま巴里を指して歩きだした。 大
都会に一歩あしを踏み入れると、彼等はその広いことと、往来の人の多いことに、しばし....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
てしまったという外はない。如何に万法は流転するとはいえ、こういう変化の絶え間ない
都会は世界中にも珍しいであろう。 僕等はいつか工事場らしい板囲いの前に通りかか....