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都会人
「都会人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
都会人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
いなかもの》らしい父親ではない。綺麗《きれい》に口髭《くちひげ》の手入れをした、
都会人らしい紳士である。少年の顔に往来する失望や当惑に満ちた表情。紳士は少年を残....
「路上」より 著者:芥川竜之介
甲《べっこう》の巻煙草入から金口《きんぐち》を一本抜きとりながら、
「君のような
都会人は、ああ云う種類の美に盲目《もうもく》だからいかん。」と、妙な所へ攻撃の火....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を作らんとするものの志ではない。
又
文を作らんとするものは如何なる
都会人であるにしても、その魂の奥底には野蛮人を一人持っていなければならぬ。
....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
だい」 と課長は目を光らせていった。 「ちょっと外へ出て、畠を見ていたのです。
都会人はこんなときでなければ、野菜の生えているところなんか見られませんよ」と云っ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
城東区砂町となって、立派に市域の内には違いなかった。それがわずかに「わが青海流は
都会人の嗜みにする泳ぎだ。決して田舎には落したくない。」そういっている父の虚栄心....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
際だった駿敏で、目端の利く青年に見えた。専修科目が家畜魚類の金魚なのと、そういう
都会人的の感覚のよさを間違って取って、同学生たちは復一を芸術家だとか、詩人だとか....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
々やネオンの瞬きは、いま揺り覚まされた眼のように新鮮で活気を帯びている。かの女は
都会人らしい昂奮を覚えて、乗りものを騎馬かなぞのように鞭って早く賑やかな街へ進め....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
借となって了う。経済上の変革が齎らす位置転換も爰に到って頗る甚だしい。尤も狡猾な
都会人に欺かれて早くから地所を手放して了ったのもあるが、中には拱手して忽ち意外な....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
―― きりょうも、いろも、雪おんな…… ずどんと鳴って、壁が揺れた。雪見を喜ぶ
都会人でも、あの屋根を辷る、軒しずれの雪の音は、凄じいのを知って驚く……春の雨だ....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
んだんに迫ってきたのです。 Tはかなり深い憂鬱な処をもっていました。そしてまた
都会人らしいエゴイスティックな傾向を持っていました。この二つの大きな濃い彼の影を....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
実生活上の趣味でも田舎者らしい所は沢山あります。それでいて官能だけは、好い加減な
都会人より遥に鋭敏に出来上っています。嘘だと思ったら、久米の作品を読んでごらんな....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
るような小説であった。「田舎者東京を歩く」というような文章を書いていた。芯からの
都会人であった武田さんが、自分で田舎者と言わねばならぬような一年の生活が、武田さ....
「山の湯の旅」より 著者:上村松園
とと、それから温泉地としてみましても、新規な設備なども整っていないことが、しぜん
都会人を呼びえない原因なのでしょう。 一昨年、松篁がそのところにいって、幾日か....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
に極めて自然に表白して居るためであろう。彼の随筆には古いもの伝統的なものに憧れる
都会人と機械美を好む尖端人との交錯が窺われる。そうして古いものの完き姿が現代に求....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
措き、都会がいたずらに発達するということも、中央集権的であるということも、従って
都会人は、ようやく此生活から離れて行くがために、いよ/\変則的な生活を営むという....