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「都大路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

都大路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》を、目に見えぬ剣《つるぎ》で打たせ給うた。まだしも頭《かしら》が微塵に砕けて、都大路《みやこおおじ》に血をあやさなんだのが、時にとっての仕合せと云わずばなるま....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
。 そのなかでも盗賊の多いというのが覿面《てきめん》におそろしいので、この頃は都大路《みやこおおじ》にも宵から往来が絶えてしまった。まして片隅に寄ったこの清水....
」より 著者:海野十三
一度姿を現わしたという「赤き死の仮面」が再び姿をかえて入りこんだのではないかと、都大路は上を下への大騒動だった。 「きょうはこれで……六十三人目かナ」 死屍室....
雛妓」より 著者:岡本かの子
なに事も夢のようである。わたくしはスピードののろい田舎の自動車で街道筋を送られ、眼にまぼろしの都大路に入った。わが家の玄関へ帰ったのは春のたそがれ近くである。花に匂いもない黄....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
していった。 「あ、いや、左様に昂奮めさるな。――確かに首のなき者が風をくらって都大路を逃げ失せたのじゃな。しからば、早速触れを出す事に致そう」 翌日、高札場....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
々は沈滞した二月を遊び疲れた後の重い心で懶げに迎えようとしていたが、それでも未だ都大路には正月気分の抜け切らない人達が、折柄の小春|日和に誘われて、チラホラ浮れ....
連環記」より 著者:幸田露伴
のあさましい姿で、痩せた牝牛の上に乗跨がり、えらそうな顔をして先駆の列に立って、都大路の諸人環視の中を堂々と打たせたから、群衆は呆れ、衆徒は驚いて、こは何事と増....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
色の夥間に恥じよ、染殿の御后を垣間見た、天狗が通力を失って、羽の折れた鵄となって都大路にふたふたと羽搏ったごとく……慌しい遁げ方して、通用門から、どたりと廻る。....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の池の風情が思われる。 上野の山も、広小路にも、人と車と、一斉に湧き動揺いて、都大路を八方へ溢れる時、揚出しの鍋は百人の湯気を立て、隣近な汁粉屋、その氷月の小....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
乗りつけて、そこからイタリー街へ寄った、とあるキャフェで軽い昼食を摂りながら娘に都大路の祭りの賑いを見せていると、新吉はいろ/\のことが眼の前の情景にもつれて頭....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
の身構えも変り、とたんにイソイソと、 「やア、いらっしゃい。本日はお寒い陽気で、都大路を山風が吹き走り」 とニコニコしながらモミ手をして出むかえるような心境に....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
寺々が夕方の勤行の始まりをしらせる鐘の音だ。御覧。太陽が西に傾いた。黄昏が平安の都大路に立籠め始めた。都を落ちて行くものに、これほど都合のよい時刻はあるまい。こ....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
一 長い陰気な梅雨が漸く明けた頃、そこにはもう酷しい暑さが待ち設けて居て、流石都大路も暫くは人通りの杜絶える真昼の静けさから、豆腐屋のラッパを合図に次第に都の....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
愈々弥生狂言の季節が、近づいて来たのにも拘わらず、七三郎は尚巴之丞の役に扮して、都大路の人気を一杯に背負うていた。 「半左衛門座では、弥生狂言も『傾城浅間ヶ嶽』....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
あるがごとくならずや。夜半の寝覚に、あるいは現に、遠吠の犬の声もフト途絶ゆる時、都大路の空行くごとき、遥かなる女の、ものとも知らず叫ぶ声を聞く事あるように思うは....