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都心
「都心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
都心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「饗応夫人」より 著者:太宰治
ら、滅茶苦茶になりました。 この土地は、東京の郊外には違いありませんが、でも、
都心から割に近くて、さいわい戦災からものがれる事が出来ましたので、
都心で焼け出さ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
うものがある。静かだ、ウエスト・エンド|通りの雑踏が蜂のうなりのように聴えてくる
都心|紐育下町のなかにも、こうした閑寂地がある。がいよいよルチアノも手がつけられ....
「断層顔」より 著者:海野十三
なされているのに拘らず、わりあいに入っている人がすくなかった。それは場所が、最も
都心より離れていて、不便な感じのするためであったろう。しかし時間の上からいえば、....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いうのは、ロンドンの西郊チェルシー区にある。この区はロンドンの芸術家街といわれ、
都心を遠くはなれた川沿散歩道のしずけさ。が、いま部屋のなかは喧囂たる有様だ。「タ....
「狸石」より 著者:豊島与志雄
てるような突出部もあり、なお見ていると、こちらにやさしく抱きついてきそうである。
都心に遠く、昔は郊外とも言える土地で、その辺一帯が焼跡になっていて、人家もまだ余....
「悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
歩いていると、空の星が水面に降ってくるようで、なにか怯えた気持ちになる。 その
都心近くから、国鉄電車に乗り、途中で私鉄電車に乗り換えて、そして家まで、だいぶ時....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
とがあってから、俺はその附近を通るのを、なるべく避けるようにしている。 然し、
都心地の掘割はたいてい続いていて、同じ濁った水が交流しているし、どこへ行くにも掘....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
の方を先に片付けることにした。 柿沼は神田に小さな事務所を持っていた。午後は、
都心から遠い製菓会社の方よりも、その事務所にいることが多かった。以前はそこでいろ....
「広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
いたり、睡蓮科の大きな葉っぱが揺れていたりした。岸には楊柳が多かった。 東京の
都心近くの掘割の水は、もっと汚く黒濁りがして、水草などはなかった。その代り、岸の....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
を悪くして、田舎にひっこんだ。喜久子は一人で酒場を初めた。――建物払底の折柄だ。
都心近くのある半焼けのビルも、急速に修復されて、幾つもの事務所をぎっしりつめこん....
「小さき花にも」より 著者:豊島与志雄
ないので誰も眼にとめないのかも知れない。私はすっと外へ出た。 もう暮れていた。
都心から遠い雑草のある道を、とぼとぼ歩いていると、眼に涙が出てきた。なんというで....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ようだ。 美神の登場で、こんな唐突なのは歴史に類がなかったかも知れない。概して
都心の流行というものは、モガモボにせよ、いくらか当代の最高芸術に心得もあり、寄ら....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
が、この出島の色に音に荒涼さを語る風物なのであった。 そこで起る当然の疑問は、
都心に近いこの港の口に、なぜ、こうも荒れ寂びれた出島があるかということである。 ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
した。 「さっき情報局のSさんから聞いたんだが、今朝はやくから軍の空トラックが、
都心から近郊へひっきりなしに走りだしているんだそうだ。東京の第一方面軍だけでも、....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
もう武蔵野のつき当りといってもいいほど秩父、多摩山岳へ寄っているので、中央沿線や
都心の文化とは、まったく無縁のように見える。そして今でも草の実党が住んでいそうに....