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都雅
「都雅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
都雅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薤露行」より 著者:夏目漱石
る。この一点だけでも書き直す必要は充分あると思う。テニソンの『アイジルス』は優麗
都雅の点において古今の雄篇たるのみならず性格の描写においても十九世紀の人間を古代....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
形式の理想化より以上のものとなった、今や茶は生の術に関する宗教である。茶は純粋と
都雅を崇拝すること、すなわち主客協力して、このおりにこの浮世の姿から無上の幸福を....
「旅行の今昔」より 著者:幸田露伴
繊塵も無く、靴には狗の髭の影も映るというように、万事奇麗事で、ユラリユラリと優美
都雅を極めた有様でもって旅行するようになるのですから、まして夫人方は「虫の垂れ衣....
「狂乱」より 著者:近松秋江
以前から馴染みのある家に往って滞泊することにした。そこは、先の下河原の方の意気な
都雅な家とは打って変り、堅気一方の、陰気な宿で、そうなくてさえヒポコンドリイのよ....
「細木香以」より 著者:森鴎外
である。父が北千住に居った時、家に一|婢があった。肥白にして愛想好く、挙止もまた
都雅であった。然るにこの婢の言う所は、一々わたくし共兄弟姉妹の耳を驚かした。 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
して、たとい国王に対してさえ、墻壁《しょうへき》を高く築いていた。彼の時代の古い
都雅である。
八 二個は必ずしも一対をなさず
ジルノルマン氏のふたりの娘に....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
はまさしく敦盛であった。一つ一つの鼓の音が、春の夜に螺鈿でも置くように、鮮やかに
都雅に抜けて聞こえる。 秋安とお紅とは顔をあげたが、じっとその耳を傾けた。 ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ことは! しかしそういう薄暗さの中に、朱塗りの衣桁が立ててあって、「連歌盗人」の
都雅な衣裳が、無造作に掛けられてあるところは、古風で美しい光景であった。その衣桁....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
あるところへ行って見た。 それは、カルラロの上質の大理石に、白百合の花を彫った
都雅な墓碑でその面には、次のような碑銘が刻まれていた。 リストリア国の女王たる....
「上海」より 著者:横光利一
にならないように。」 すると、秋蘭の皮襖の襟からは、初めて、典型的な支那婦人の
都雅な美しさが匂いのように流れて来るのであった。 「あたくし、今日はあなたとこん....