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「都風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

都風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藪の中」より 著者:芥川竜之介
人気《ひとけ》のない所でございます。 死骸は縹《はなだ》の水干《すいかん》に、都風《みやこふう》のさび烏帽子をかぶったまま、仰向《あおむ》けに倒れて居りました....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
お前は服装《みなり》に似合わぬ、烏帽子の折りざまが田舎びているような。わたくしが都風に折って進ぜましょう」 彼は新しい烏帽子を折ってやった。そうして、その価《....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
てたのであったが商売不振の為め今年は母屋を交ぜた三棟四棟を避暑客の貸間に当て、京都風の手軽料理で、若主人夫婦がその賄に当ろうと云うのであった。 母屋に近い藤棚....
島原心中」より 著者:菊池寛
の楼は、この通りに立ち並んでいる粗末な二階家の一つでした。入口を入ると、土間が京都風に奥の方へ通っていて、左の方には家人や娼妓たちの住んでいる部屋があり、右はす....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
は、神仏分離の行なわれた直後の時に行き合わせた。人も知るごとく飛騨の高山地方は京都風に寺院の多いところで、神仏|混淆の長い旧習は容易に脱けがたく、神社はまだまだ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
丁寧に辞義なんぞせずとよい、芝屋や名所も追々に見せましょ。舞踏会や音楽会へも少し都風が分って来たら連て行ましょ。書物は読るかえ、消息往来|庭訓までは習ったか、ア....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
口へ形のよい姿を現わしたのは問題の主の多四郎であった。 彼は年の頃二十四、五、都風に髪を結い当世風の扮装をし色白面長の顔をした女好きのする男であったが、眼に何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
じゃありません、大有り名古屋のもっと先なんでしょう。いったい、何でそんなに急に京都風が吹き出して来たんでしょうね」 「まあ聞け、こういうわけなんだ、どの方面と名....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
その祖父や父や兄なる人は私の旧知であったのだ。会の場所は四条烏丸の角の割烹店で京都風の鰻の蒲焼を食べたのもちょっと珍らしかった。この一泊した木村氏の宅は、因幡薬....
蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
和の方へ嫁入し、三番目は又男の子で、それは豊雄と云って物優しい生れであった。常に都風たる事を好んで、過活心がないので、家の者は学者か僧侶かにするつもりで、新宮の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が、これにはシサイがあったのである。 ★ 田舎育ちの通人が都風の粋な情緒に特にあこがれを寄せるのは理のあるところで、花廼屋は大そうな為永春....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
が電燈の光を浴びて陳列してあった。そのガラスの廻りにへばりついている人には若い京都風の男もあれば妻君を携帯している東京風の男もあった。それらの群集の中に手持不沙....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
なんの御用じゃ。」と、兼好は手を休めて訊いた。 「今方ここらへ年のころは十七八、都風俗のあでやかな上※が見えなんだか。御坊には御存知ないか。」 「おお、見えたよ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で通って来たチャンタンといういわゆる遊牧民ばかり住んで居る所とは大分に違い幾分が都風に化せられて居る様子が見えて居るです。遊牧民は非常に粗野で人と物をいうにも剥....
茶碗蒸し」より 著者:北大路魯山人
すいのはいやエ」 と申すのであった。これは気の張った客であるから、いわゆる、京都風に卵をケチにしてはいけないというわけである。 ところが、そういう特別の注文....