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鄙歌
「鄙歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鄙歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
の荷倉に折り重なって豚のように寝ているニグロの群れを映じてそれにものうげに悲しい
鄙歌《ひなうた》を歌わせるのがあった。これを聞いているうちに自分はアメリカの黒奴....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云いますがな。何故なら、今は蕪菁の真盛りですよ。矢筈は蕪菁、矢柄は葭――という
鄙歌を、たぶん貴方は御存じでしょうが」
「さよう、この事件でもそうです。蕪菁は犯....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
一度あいたし、生命あるうちに一度、ただ一度あいたしと思うにつけて、さきに聞きつる
鄙歌のあいにく耳に響き、かの百姓夫婦のむつまじく語れる面影は眼前に浮かび、楽しき....
「竜舌蘭」より 著者:寺田寅彦
味線の音がすると、清らかな女の声でうたうのが手に取るように聞こえる。調子はずれの
鄙歌が一度に起こって皿をたたく音もする。ひとしきり歌がやんだと思うと、不意に鞭声....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
風呂敷をかぶせながら、眠りにつくような有様なのであります。 今も、その官能的な
鄙歌《ひなうた》を叱りつけてから、ゾッとその寒さを心頭から感じて、あわてて枕もと....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ンジール家を諷して歌った。『生木にゃ青い血、オージルビーにゃ金の血』という名高い
鄙歌はあれは修辞的の意味ばかりでなく文字通りの意味があるのじゃ。すなわち、グレン....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
紛らしぬ、一坐の歓娯も彼が不運を予言するもののごとく何となく打ち湿り、互いに歌う
鄙歌《ひなうた》もしばしば途切れ、たまたま唱うるものあれば和するものなく拍子抜け....