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鄭
「鄭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鄭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
であろう。せっかくだが御依頼通りになりかねるという彼の返事は、むしろ彼としては、
鄭重《ていちょう》を極めていた。すると、折り返して来た手紙には、始めからしまいま....
「影」より 著者:芥川竜之介
じて、心もち明《あ》けた戸の後から、痩《や》せた半身をさし延ばした。
「今西君。
鄭《てい》君にそう云ってくれ給え。今夜はどうか私の代りに、東京へ御出《おい》でを....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
てるけれど、岡村は暢気に済してる。細君は腰を半ば上りはなに掛けたなり、予に対して
鄭嚀《ていねい》に挨拶を始めた、詞は判らないが改まった挨拶ぶりに、予もあわてて初....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
なって、私は突然、赤耀館主人と名乗る人からの招待状を受取った。その文面はすこぶる
鄭重を極めたもので、「遠路乍ら御足労を願い、赤耀館事件の真相につき御聴取を煩わし....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
青年臼井は、ポマードで固めた長髪を奇妙に振りながら、近頃の青年にしては珍らしく
鄭重《ていちょう》な言葉で挨拶をしたのだった。青年の赤いネクタイが、その睡眠不足....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
愉快なる目に遭うべく候。右念のため。草々敬具。烏啼天狗生拝” まことに念入りな
鄭重慇懃を極めた脅迫状であった。しかしいくら
鄭重慇懃でも、脅迫状は嬉しくない。受....
「火星兵団」より 著者:海野十三
まえ」
先生は、床下にひそんでいるのは、刑事かも知れないと思ったので、なるべく
鄭重に言った。
新田先生は、マッチを出して火をつけた。
「とにかく、こっちへ出....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
つの箇条とは、一たいどんなことであったか。――赤札の第一号のカワカミ氏は、ばかに
鄭重に風呂場へみちびかれた。 すこし面喰いながら風呂に入ると、男がきてしきりに....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て花や水を手向け、又十｜日祭とか、五十｜日祭とか申す日には、その都度神職を招いて
鄭重なお祭祀をしてくださるのでした。修行未熟の、その時分の私には、現界の光景こそ....
「阿Ｑ正伝」より 著者:井上紅梅
に入った奴だ。 タッタ、ヂャンヂャン。 後悔するには及ばねえ。酔うて錯り斬る
鄭賢弟。 後悔するには及ばねえ。ヤーヤーヤー……… タッタ、ヂャンヂャン、ド....
「故郷」より 著者:井上紅梅
ゃまであった。その年はちょうど三十何年目に一度廻って来る家の大祭の年に当り、祭は
鄭重を極め、正月中掲げられた影像の前には多くの供え物をなし、祭器の撰択が八釜しく....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
たりから先生の名を慕って来た者だろうと、取次は瞶めたのである。 青年はますます
鄭重、 「いかがでございましょうか、お友達、御当家先生様にお目通が出来ますでござ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
う。平生の知己に対して進退｜行蔵を公明にする態度は間然する処なく、我々後進は余り
鄭重過ぎる通告に痛み入ったが、近い社員の解職は一片の葉書の通告で済まし、遠いタダ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
するなり。 米国の寺院は、他教会もしくは他邦の人その会堂に至るときは、はなはだ
鄭重に待遇するの風あり。また、各宗派の信徒互いに共同して、慈善会、救助会等を設く....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
方に古い版画、明代の小説の挿絵とか、詩箋、便箋の技術を残す必要があるというので、
鄭振鐸と一緒に、北京の栄宝斎など十軒ばかりの文房具屋の便箋の版木五千ばかりのうち....