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酉の市
「酉の市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酉の市の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その熊手を神棚にうやうやしく飾って、それからいつもの六畳の座敷へわたしを通した。
酉の市《まち》の今昔談が一と通り済んで、時節柄だけに火事のはなしが出た。自分の職....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
のをよく見掛ける。上田の八日堂と言って、その縁日に達磨を売る市が立つ。丁度東京の
酉の市の賑いだ。願い事が叶えば、その達磨に眼を入れて納める。私は海の口村の怪しげ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
十五夜と二十六夜 細見と辻占売り おさらい 常磐津、清元、歌沢 お会式 菊と紅葉
酉の市 鍋焼饂飩と稲荷鮨 からッ風 納豆と朝湯 歳の市 大晦日 見附と御門 江戸....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
はじめの霽れた夜でした。わたしは四谷須賀町のお酉さまへ参詣に出かけました。東京の
酉の市というのをかねて話には聞いていながら、まだ一度も見たことがない。さりとて浅....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
お店者並びに職人のわいわい連中が押して来て非常な騒ぎとなる。何んでも一年中でこの
酉の市ほど甚い雑踏はないのだから、実に無量雑多な人間が流れ込んで来る。とにかく、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
もので待合の神棚とか、お茶屋の縁喜棚に飾ると似合わしいものです。 歳の市の方は
酉の市とは違い、景気附け一方でする気合い商売でないからです。つと質素になります。....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
をしています。然し折角生れた甲斐には東京で花々しく打死をしたいですね。 吉原の
酉の市なんか僕も見たかった。二、三日漫然とあるきたい。手紙をかくだけでも随分骨が....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
いながら、撮みながら、その色もの、また講釈、芝居の立見。早手廻しに、もうその年の
酉の市を連れて歩行いた。従って、旅費の残りどころか、国を出る時、祖母が襟にくけ込....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
おおとりじんじゃ》の傍《そば》の田甫の白鷺が、一羽起ち二羽起ち三羽立つと、明日の
酉の市の売場に新らしく掛けた小屋から二、三|個《にん》の人が見《あら》われた。鉄....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
台所道具で、上等のものではないにしても何か活々したものを感じます。浅草の歳の市や
酉の市など、昔に比べては格が落ちたでありましょうが、それでも心をそそる光景を示し....
「三の酉」より 著者:久保田万太郎
りの金田の勘定は、りッぱにあなたが払うのよ…… ……おさわは、しかし、その年の
酉の市の来るのをまたずに死んだ。……二三年まえのはなしである。 たか/″\とあは....