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酊
「酊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
た。 「海底土産だって。へえっ、一体何が欲しいのかね」 ホーテンスもすっかり酩
酊《めいてい》して、とろんとした眼をしていた。 「何でもいいよ、しかしなるべく豪....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
1 銀座裏の酒場、サロン船を出たときには、二人とも、ひどく酩
酊していた。 私は私で、黄色い疎らな街燈に照らしだされた馴染の裏街が、まるで水....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
叫んだ。 宴会は八時半頃に終って、私たちは愉快にこの席を辞して去った。中には酩
酊して、自分たちの室へ帰ると直ぐに高鼾で寝てしまった者もあった。あるいは満腹だか....
「大脳手術」より 著者:海野十三
から四週日の金曜日の宵だったが、坂の上の方から折鞄を小脇に抱えた紳士が、少しく酩
酊の気味でふらふらした足取で、こっちへ近づくのが何故か目に停った。 「あ、瀬尾教....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
午前十時、セバスチァン料理店に現れ、午後二時まで四時間に亘り昼酒をやり、大いに酩
酊せり」 「ふん、大いにやっとるな」 と、ゴンゴラ将軍は次の報告書を取上げる。....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
多いから、益々、副作用を主成分にしたような催眠薬が現れる。一粒のむと、トタンに酩
酊状態におちいるような魔法の薬が現れるのである。 人はなぜ催眠薬をのむか、とい....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
るものと判明した。 博士は前夜、M高校出身の医科学生の会合に出席して、非常に酩
酊して、学生の一人に送られて、十時半頃家に帰って寝についたのだが、一旦寝台に横っ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
人々は催眠薬をのむと眠ってしまうから気がつかないが、催眠薬というものは、その酩
酊の作用においてはアルコールよりも強烈なものである。 アドルムの十粒ものんで眠....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
を伏せる) 間―― 小野 (妙に調子を変えて)……清原。……君があの烈しい恋の酩
酊から醒めたからって、……別に俺が君に対して何を云うことが出来よう?……かしこ過....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
銘
酊船 さてわれらこの日より星を注ぎて乳汁色の 海原の詩に浴しつゝ緑なす瑠璃を啖ひ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
た。彼は、先刻から酒席の間を、彼方此方と廻って、酒宴の興を取持っていたが、漸く酩
酊したらしい顔に満面の微笑を湛えながら、藤十郎の前に改めて畏まると、恐る恐る酒盃....
「秘密の相似」より 著者:小酒井不木
た。御友人の一人……お名前は申し上げません……が、可なりに沢山お酒を召し上り、酩
酊のあまり、私の母に向って、あなたが網膜炎で片眼しか見えないと御告げになった時の....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
第五は、心性、思想の激動して感覚を失する事情にして、例えば火事のとき、また酩
酊のときは、自らなにをなしたるかを識覚せざるの類をいう。 第六は、種々の思想の....
「はなしの話」より 著者:岡本綺堂
叫んだ。 宴会は八時半頃に終って、私たちは愉快にこの席を辞して去った。中には酩
酊して、自分たちの室へ帰ると直ぐに高鼾で寝てしまった者もあった。あるいは満腹だか....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
たように、自分の宝石が失われてはいないかと、改めてみた。 「シャンペンに、大分酩
酊していらしたから」 と一人が云った。 「どこかに、落したんじゃないでしょうか....