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酌量
「酌量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酌量の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
被告に同情をするにしても、尊親族《そんしんぞく》殺人という罪名に拘泥して、どんな
酌量をしても四、五年の実刑は課したでしょう。が、若杉裁判長は、罪を憎んで五年の懲....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えられないので放火したという風に巧く云い取りをしたと見えて、こんにちでいえば情状
酌量、罪一等を減じられて八丈島へ流されることになりました。それを有難いと思ってい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
之助は関係があったのでした。照之助は年も若いし、兄のかたき討ちというところに情状
酌量の点もあるので、遠島になりました。 腕を斬られた二人、そのうちで岩蔵は癒り....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「おかんは死罪になりました」と、半七老人はわたしに話した。「今日でしたら情状
酌量にもなったのでしょうが、その時代ではどうもそう行きませんでした。それも自訴で....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
です。なにぶんにもまだ十六にも足らない者ではあり、係りの役人達も大いにその情状を
酌量してくれたのですが、理窟の上から云えば筋違いで、そんなことで一々かたき討をさ....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
が附けば其時初めて罪に落す、若しお前の白状だけで外の証拠に疑わしい所が有れば情状
酌量と云て罪を軽める事も有り又証拠不充分と云て其儘許す事も有る」と殆ど噛で食めぬ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は歯がみをしながら云った。 「だまっていればいる程損なんだ。立派に白状すれば情状
酌量と云う事がある。お前が強情を張る為に罪のない女房まで痛い目を見ているではない....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
は頭を掻きながら答えた。「とすると、どんなに神様の有難い思召しを蒙っていることを
酌量してみましても、我々はかなり詰開き(註六一)になっていると申さなければなりま....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
、刑の執行猶予を申渡されて、無事に出獄したそうだ。裁判所の方でもいろいろの情状を
酌量されたらしい。 しかし彼女は無事ではなかった。家へ帰るころには例の病いがだ....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
人を裁くが如くにして、実は、その罪を、その罪の軽重のみによつて裁くのである。情状
酌量には限度がある。この岡本の竹を割つたような性格には、なるほど一点の邪悪らしい....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
重クロム酸加里を混入せる酒を呑ましめたることも、自分の利得のための殺人として情状
酌量の余地なし。」 ――昭和四年(一九二九年)『文学時代』十月号――....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
将来受くるところの吉凶禍福を卜定すべきをもって、卜筮者または予言者は、この事情を
酌量して将来の運を告ぐるに至る。これ、いわゆる外界の事情によるものなり。しかして....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
セックスへの奉仕もロマンチック以上のものではなかったというのが、彼の不埒に対する
酌量材料として認められ、死刑宣告は、ロンドン塔への幽閉に振り替えられた。サア・ク....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
なに嬉しいかわかりません」 「爺さんに犯罪意志の無かったことは十分に認める。情状
酌量すべきものが十分ある。併し死体遺棄罪として一応は検事局へ……それから、西谷は....
「放浪」より 著者:織田作之助
尻はまくらなかった。 間もなく順平は送局され、一年三ヶ月の判決を下された。情状
酌量すべき所無いでもないが、都亭主人を欺いて社会にとって危険極る人物となり、ため....