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「配偶者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

配偶者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
とを、きびしい世相に生きぬいて行く唯一の道だと考えていた。世の封建的な親達が娘の配偶者の条件に、家柄、財産、学歴を考えるのとほとんど同じ自己保存の本能から、貴子....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にたちいたりましたが、事は初めから不自然をあえて行なっていたんですから、選ぶべき配偶者にはたと行き詰まって、ついにおろかにも書画気違い長兵衛のせがれを女に仕立て....
新生」より 著者:島崎藤村
に言ったことを思い出した。事情に疎《うと》い外国の婦人の身をもって、果して適当な配偶者を異郷に見出《みいだ》すことが出来たであろうか、こうした掛念《けねん》があ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
渉ということは、彼女らが一生涯の定めとされ、歯を染め眉を落としてかしずく彼女らが配偶者となる人の以外にはほとんど何の交渉をも持てなかったことを想像して見るがいい....
」より 著者:島崎藤村
した。わずかばかりの庭も霜枯れて見えるほど、まだ春も浅かった。 私が早く自分の配偶者を失い、六歳を頭に四人の幼いものをひかえるようになった時から、すでにこんな....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
とすると、彼らの婿選み嫁選みがいかにして行なわれるか。雌雄の数が同一でない場合に配偶者をもとめそこねた落伍者の運命はどうなるか。 こうした問題が徹底的に解かれ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
った。 庸三はこの結婚に必ずしも自信がもてると思ったわけでもなく、いずれは若い配偶者のもとに落ち着かなければならない彼女だとは思っていた。それは老年の彼の弱い....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
私の年季が明けると同時に、師匠東雲師はまず私の配偶者のことについて心配をしておられました。もっとも年の明ける前から心掛けておっ....
中毒」より 著者:織田作之助
はなかった。いつか私は「朝、眼をさましてから、床の中でぐずついているような男は、配偶者としては、だめである」 という意味の横光さんの言葉を読んで、どきんとした....
蝉の美と造型」より 著者:高村光太郎
る目的を忘れてしまったのではないかと思うほど鳴く事に憑かれている。実際私はセミが配偶者を得たところを見た事が無い。 東京にはジイジイ、アブラ、ミンミン、ツクヅ....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
を想像してみると、例えば生活するのが東京でなくて郷里、或は何処かの田園であり、又配偶者が私のような美術家でなく、美術に理解ある他の職業の者、殊に農耕牧畜に従事し....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いうような有様で、何んでもヤンチャな世の中……殺風景なことが多く、したがってその配偶者のことなども乱暴無雑作なことがちで、芸妓、芸人を妻や妾にするとか、女髪結の....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
づけた。 『そして、この紳士は?』 『私の亡くなった夫でございます』 『あんたの配偶者?』 『ハイ。亡くなりましてから、もう三年になります』 彼女は再び椅子に....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
漫然と天命を待つという、そんな態度を執りません。なお積極的に、信仰の力によって、配偶者となるべき人と自分とが結婚すべきか否かを、真理的に観察するのであります。信....
ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
十年余、自分はこの街を離れたことはない。母は私を生むと直ぐに病死した。父は新しい配偶者を求めることなく、私は乳母の手によって養育された。父は私が最高学府の教育を....