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配剤
「配剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
配剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すが、その音造を取り押さえた為に、清五郎もすぐに其の場から縄付きになるとは、天の
配剤とでも云うのでしょうか、まことに都合よく行ったものです。 音造も清五郎も無....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
は発声映画と無声映画との特長をそれぞれ充分に把握した上で、巧みに臨機にそれを調合
配剤しているものと判断されることはたしかである。しかしこのような見え透いた細工だ....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
おくすり」であったらしい。それを飲みやすくするために医者はこれに少量のコーヒーを
配剤することを忘れなかった。粉にしたコーヒーをさらし木綿の小袋にほんのひとつまみ....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
である。自然界ではこのように、利己がすなわち利他であるようにうまく仕組まれた天の
配剤、自然の均衡といったようなものの例が非常に多いようである。よく考えてみると人....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
食う時もケーク丈はポッケットに入れて土産となす様になる者ぞ、ゆめ/\美妙なる天の
配剤に不足|云うべからずと或人仰せられしは尤なりけり。珠運馬籠に寒あたりして熱と....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
に粟すべき斑※燿と招いていた。 「――こっちを襲って来るのではない。そこは自然の
配剤だね。人が進めば、ひょいと五六尺|退って、そこで、また、おいでおいでをしてい....
「月かげ」より 著者:豊島与志雄
拶に困った。するうちに彼は、ひとりでに饒舌り出した。 「世の中には、運命とか天の
配剤とか、そういったものが確かにありますよ。私はそれが始終気にかかって、何かで占....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
子《しし》の精髄なんだ。それを常食としてる者こそ強健な心の人だ。福音書も旧約書の
配剤がなければ、味のない不健全な料理にすぎない。聖書《バイブル》は生きんことを欲....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
何らの結果も起こらなかったであろうが、しかし偶然のうちにしばしばある不思議な天の
配剤によって、ヴェルノンのそのできごとの後間もなく、パリーで一つの事件がもち上が....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いた。お前が幸福な目にあったのと、ちょうど同じくらい不幸な目に会った。それが神の
配剤である。神は天にあって、われわれ皆の者を見られ、大きな星の間にあって自分の仕....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
んに急場を救っていただいてお嬢さんの胸のつかえを取り去ってあげさせようという天の
配剤、それでたぶん天がお嬢さんにタンカをきらせたんですよ。早く、なんとかしてあげ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
睡に陥ったやつを、君はらくらくと料理してしまったのだ。どうだい、この事件の、天の
配剤というやつは、昨夜君が、炊事場をうろついていたことにあったのだよ。しかし、ま....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
にどんどん事を運んでしまうぜ。……何度も云ったけど、これは確かにこの上もない天の
配剤なんだ。君の目的と僕の目的が全く一致する……これは単なる偶然じゃないんだ。僕....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
たかと尋ねると「日本に行った」という、いま考えるのにこう言った人は日本の留学生の
配剤でかく答えたのではないかと思われる。二人は失望して南楊州あたりに戻って来た、....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
・デヴリウ(エセックス)が、アン・ブウリンの後を追って首台に坐るべしとは、まさに
配剤の妙に叶うことだった。彼女の父王……だが、この父と娘は、似るところがあると同....