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配膳
「配膳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
配膳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
みならず、家庭の些事の整理に至るまで、われわれは茶の宗匠の存在を感ずるのである。
配膳法はもとより、美味の膳部の多くは彼らの創案したものである。彼らは落ち着いた色....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
色を知せるには便利だろうという実業家の心尽しだった。稚子髷に振り袖の少女の給仕が
配膳を運んで来た。 K・S氏はそこで出た料理の中で、焼蛤の皿に紅梅の蕾が添えて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の足音がしとしとと聞こえるばかり。お神輿は上の町のお旅所へ送られて、暗闇のなかで
配膳の式があるのだそうで……。そのあいだは内も外も真っ暗でございます。夜なかの八....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
る。まあ、皆のするとおりにすれば、それでよろしいのでしょう。」 通禧の挨拶だ。
配膳の代わりに一つの大きな卓を置いたような食堂の光景が、やがて通禧らの目に映った....
「縮図」より 著者:徳田秋声
っていた。まさか栗栖がこの土地へ来ようとは思えなかった。 十五六人の集まりで、
配膳が始まり、席が定まった時分に、寿々龍の銀子も女中に声かけられ、三十畳ばかりの....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
そくが赤く燃えていた。昼と夜が入れ替ろうとする重たいような空気のなかで、人々は、
配膳を前にしてきちんと坐っていた。風もないのにときどき燭火が揺れるのだ。すると、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、赤いところを絵かきに食わせ――青いところを文書きに食わせる、そういう御馳走の
配膳に致しましたならば、一同否やはござんすまい」 「ふーん」 こいつ、どうやら....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
きょうの用事を思い出しついでに一つふろ敷包みをこしらえてそのまま林町へ来ました。
配膳室のドアをわざとコトコト叩いたら、内の連中は時間が時間だし何が来たのかと一ど....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
たので見に行つた。出しものは「肥後の駒下駄」と、「お染久松」、「土蜘蛛」、「輝虎
配膳」などで、延一郎は駒平、お染とでつちの早変り、これは人形振り、「輝虎
配膳」は....
「魔都」より 著者:久生十蘭
鉄瓶がその上で松風の音を立てている。
十畳ばかりの板敷の向うには、三段になった
配膳棚があって、一つ一つ小蒲団で包まれた鰻丼が五十ほどズラリと並べられ、つまみ物....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
うよ。このごろ、いい料理番《いたば》が来ているのですよ。庖丁《ほうちょう》からお
配膳《はいぜん》まで、ひとりでしないと気のすまない、面白いお爺《じい》さんでござ....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
て来た芸が、ぴったり合っていた。太十の操をすると、自由にくだける所があるが、輝虎
配膳の老女(越路)などの役は非常に苦しんでいる。彼は顔を見ても悪婆という感じはせ....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
の女将、食通、料理人組合の幹部といった連中で、どれもひとかどの者ばかりであった。
配膳が終わると主催者が立って挨拶をはじめ、ついで長々と狸肉の味について、その蘊蓄....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
め、その他の役々もすべて東京側で受持つことになった。そのあいだに大阪方では「輝虎
配膳」と「戻り駕」を出した。 第二回の興行は三月二十日から開場して、一番目「忠....
「城」より 著者:カフカフランツ
きなかった。そこでマッチをつけてみた。すると、叫び声にびっくりさせられた。ドアと
配膳台とのあいだの片隅の、ストーブの近くに、一人の娘がうずくまって、マッチの光に....