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配達
「配達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
配達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
した。
「お前の名は?」
「グルック。」
「職業は?」
「つい二三日前までは郵便
配達夫をしていました。」
「よろしい。そこでこの人の申し立てによれば、君はこの人....
「或る女」より 著者:有島武郎
しんだというよりも苦しんだ。その苦しみを楽しんだ。倉地はこの家に移って以来新聞も
配達させなかった。郵便だけは移転通知をして置いたので倉地の手もとに届いたけれども....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
かいにあたる向こう側の、格子戸《こうしど》立ての平家《ひらや》の軒さきに、牛乳の
配達車が一台置いてあった。水色のペンキで塗りつぶした箱の横腹に、「精乳社」と毒々....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
かもしれない。僕はただ彼のことをヒサイダさんと称していた。彼は僕の実家にいる牛乳
配達の一人だった。同時にまた今日ほどたくさんいない社会主義者の一人だった。僕はこ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、悪い報せでも……」 郵吉は、陸海軍から出した戦死通知を、何十通となく、区内に
配達してあるいた経験から、充分それと承知をしているのだったが……。 「なァに――....
「火星探険」より 著者:海野十三
は手に入らなかった。今二人が頼んであるのは、牧場《ぼくじょう》で不用になった牛乳
配達車であり、しかもエンジンが動かなくなって一年も放りだしてあったというたいへん....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
が初めて出来た時は、官憲の仕事ではあり、官吏の権威の重々しかった時の事ですから、
配達夫が一葉の端書を持って「何の某とはその方どもの事か――」といったような体裁で....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
いえば釘の折でも、屑屋へ売るのに欲い処。……返事を出す端書が買えないんですから、
配達をさせるなぞは思いもよらず……急いで取りに行く。この使の小僧ですが、二日ばか....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
と這上る、蝙蝠か、穴熊のようなのが、衝と近く来ると、海軍帽を被ったが、形は郵便の
配達夫――高等二年ぐらいな可愛い顔の少年が、ちゃんと恭しく礼をした。 (ああ、ち....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
そ聞えませぬが、馬、車、処の人々、本願寺|詣の行者の類、これに豆腐屋、魚屋、郵便
配達などが交って往来引きも切らず、「早稲の香や別け入る右は有磯海」という芭蕉の句....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ーデン王を兼ねた。 さて会話は、こんなことで、賛否こもごも花が咲いて、あいだに
配達の夕刊がとどいたので、ちょっと話がとぎれたぐらいのことでした。でも、新聞には....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
ありますが、雪難之碑と刻んだ、一基の石碑が見えました。 雪の難――荷担夫、郵便
配達の人たち、その昔は数多の旅客も――これからさしかかって越えようとする峠路で、....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
鉄道の警備に任じている忰へ古谷からの借金についてのあの手紙を出して間もなく、その
配達に接したのであった。先代同様に、いや、先代よりはとにかく東京という文化都市―....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
。 「こないだ郵便物が来たから持って行ったら」とこの話をした私の友人――××局の
配達夫をやっている――が真面目な顔でつけ加えるのであった。「相変らず堆肥のような....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
ブランブルハースト駅にある、ぼくの荷物をとりよせるようにたのんでくれたかね」 「
配達屋にたのんでおきましたから、あすの朝早くとどきます」 「あすの朝……こん夜の....