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「酒の肴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酒の肴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
す。毎日|釣《つ》りをやってね……ああやって水の流れを見ていると、それでも晩飯の酒の肴《さかな》ぐらいなものは釣れて来ますよハヽヽヽヽ」 木部はまたうつろに笑....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
?」耳の傍で囁いた。 「僕は帰ります」豹一はだし抜けに言った。 (どうせ、俺らを酒の肴にするつもりだろう? いやなこった。誰が幇間になるもんか。赤井の媚びた態度....
」より 著者:岡本かの子
「何だ、何だ」 好奇の顔が四方から覗き込む。 「まあ、やってご覧、あたしの寝酒の肴さ」 亭主は客に友達のような口をきく。 「こはだにしちゃ味が濃いし――」....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
、ずんぐり横肥りに肥った癖に、口の軽い剽軽もので、 「買うてやらさい。旦那さん、酒の肴に……はははは、そりゃおいしい、猪の味や。」と大口を開けて笑った。――紳士....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
崎も、聞いて、成程そうらしくも見て取った。 「むむ、そのお稲で居た時の身の上話、酒の肴に聞かさんかい。や、ただわなわなと震えくさる、まだ間が無うて馴れぬからだ。....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
本当に巴里と暮しているようですよ。六日間も自転車競争場の桟敷で、さばけた形をして酒の肴のザリ蟹を剥いてるところなぞ一緒にいてぞっとする程好かったですよ。」 こ....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
一等兵だったから、白崎は落語家出身で浪花節の巧い赤井新次一等兵と共に、常に隊長の酒の肴になっていた。 おかげで、白崎は大学で覚えたことをすっかり忘れてしまうく....
雪柳」より 著者:泉鏡花
もかつ散る氷の刃…… つらつら思うに、心中なぞするもんじゃありません、後世には酒の肴になる。いや怪しからない、いつまで聞いていようというんだ。私は心で叱りまし....
鮑の宿借り作り」より 著者:北大路魯山人
候に応じたまことに気分のよい、また口当たりのよいものである。家庭においてご主人の酒の肴にも、またご婦人やお子供衆にも向くものとしてお勧めする。....
いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
て話を聞かなければなるまい。 冬から春にかけて、しびまぐろに飽きはてた江戸人、酒の肴に不向きなまぐろで辛抱してきたであろう江戸人……、肉のいたみやすいめじまぐ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
)といって、前にも説明したようにチベット人の幸福の境涯の状態を現して居るです。で酒の肴というようなものは用いない。 日中後の食事の時分にはまず麦焦しと肉を出す....
俗臭」より 著者:織田作之助
。台所にナマコの置いてあるのが眼についた。初乃は、皆んなが先刻から数の子ばかりを酒の肴にしていたのをちらと想い出したので、ナマコの三杯酢をこしらえたら喜ぶだろう....
田螺」より 著者:北大路魯山人
をつけて、ちょっと火に掛けて焼く。体裁がよいので、ご婦人方によろこばれる。実際、酒の肴などにもこれはよい。この小さな串刺しはオードブルとし、他と盛り合わせても成....
小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
いるが、ただ価格が他の干ものに較べて高価である。従って、そうざいにはならないが、酒の肴にはこの上なしと言えるだろう。 しかし、この干もの、松葉がれいは難を言え....
昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
濃いトロというのを好む。このまぐろとか、てんぷらとか、うなぎとか言うものは、元来酒の肴として極めて調和のわるいものである。にもかかわらず、東京っ子はこれをもって....