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酒代
「酒代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酒代の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
っていないで、どしどし言い籠《こ》めて隙《ひま》あ潰《つぶ》さした埋め合わせに、
酒代《さかて》でもふんだくってやればいいに」 「ええ、めっそうな、しかし申しわけ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
ことに対しては登山者は責任を負わなければならない」などといって親切を売物に出し、
酒代をゆすろうとするのではないか。 我々はせまい道を通るとき、こっちが大手を振....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ります。 さあ、内海の青畳、座敷へ入ったも同じじゃ、と心が緩むと、嘉吉|奴が、
酒代を渡してくれ、勝負が済むまで内金を受取ろう、と櫓を離した手に銭を握ると、懐へ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
存知ないことだからねえ、とんだ失礼申しましたよ。それぢやア旦那、お気に召さなきや
酒代は私が持ちますから、カストリを一升ほどこの子に飲まして下さいな。見ていたゞか....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。それで人の嫌がる組長を引き受けて勤めているのだ。おれがその男に今いった通りの
酒代用品のことを話して見た。――そんなことで、やっと我慢しているが、確かに利目が....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
や歴陽へも行った。 あっちこっち歩き廻った。 到る所で借金をした。九割までは
酒代であった。 のべつに客が集まって来た。 やがて宝応元年になった。 ある....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
れくらい溜つてるね」 「昨夜計算してみたら、宿泊料だけで一万九千六百なにがしさ。
酒代はむろん別、そのほかに、新聞、煙草、甘いもの、薬代、なにやかやの立替が三千い....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
ぐらいできる生活はそれを当然の生活水準と考えるべきではないだろうか。収入に比して
酒代が高価だというのは、飲みたい人の罪だけではないだろう。人間のそういう保養や愉....
「中毒」より 著者:織田作之助
た。 しかし、彼が借金を残したのは、酒を買う金のためではなかった。当時、一升の
酒代ぐらい知れたものであった。灘の菊正で一升二円もしなかった。 彼が借金を残し....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
れで溜飲が下ったぞ。これですっかり好い気持だ。どれどれ最少し鰻を掻き上げねえと、
酒代が出て来ねえや」 悪僧は再び手桶を提げて、蘆の間に忽然と姿を隠した。何んと....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
力も眼力だが、もし運が悪ければ見付けられない。俺が敗けたとなると貧乏山伏だから、
酒代は出せぬ。そこで酒はすりの上前を跳ねて、酒を呑もうなんて、えらい奴もあったも....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
い。平然として浩さんは自分の生活を生活した。明日持って来るからといって一円二円の
酒代を借りに来ることも二三度に止らなかった。 * * ....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
れだした。晩酌の量ばかりがだんだんと加わって行った。十円の金のほとんど半分は彼の
酒代になった。その結果はちょいちょい耕太郎が無心の手紙を持たされて、一里の道を老....
「審判」より 著者:カフカフランツ
しようというのだろう、とKは思った。おれはあの男にうさんくさく見えるのだろうか?
酒代でももらいたいのか? ところが、寺男はKに見られているのに気がつくと、右手で....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。
ところでここに大変よい事がある。そんなに沢山金を使わないでも私にその半分も
酒代として下さればよい道を案内します。それは外の道ではない、カンブーロン(桃溪)....