酒匂川[語句情報] »
酒匂川
「酒匂川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酒匂川の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小田原陣」より 著者:菊池寛
る春霞の中にあって、十万七千の包囲軍はひしひしと犇き合って小田原城に迫って居る。
酒匂川を渡って城東には徳川家康の兵三万人、城北荻窪村には羽柴秀次、秀勝の二万人、....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
ず涙が出た。(大正十二年十一月、渋柿) * 震災後の十月十五日に
酒匂川の仮橋を渡った。 川の岸辺にも川床にも、数限りもない流木が散らばり、引っ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
に育つも味は劣れりというではないが、多摩川のに比して骨の硬いが難だ。国府津ものは
酒匂川にとれるを一番の上味とし、山北の鮎鮨で東海道を上下するほどの人々は予て馴染....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
一番高いところへ、道中する興味である。 一行の汽車は、箱根|火山彙を仰ぎ見て、
酒匂川の上流に沿い、火山灰や、砂礫の堆積する駿河|小山から、御殿場を通り越したと....
「釣り師の心境」より 著者:坂口安吾
魚肉の無にちかい量を感じるだけであった。 それでも、昼すぎる頃に、三好の門弟が
酒匂川で釣った鮎を持ってきた。釣り場の料金を払うだけあって、四五寸はあり、二百匹....
「水垢を凝視す」より 著者:佐藤垢石
餌を食べているが、溯上の途中に立派な水垢を発見すれば、それに食い馴染む。興津川や
酒匂川、安倍川のように瀬が直ちに海へ注ぐ川は、川口にまで転石が磊々としている。そ....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
に似ているけれど、利根川の鰍は、それほど大きく育たない。相州小田原の近くを流れる
酒匂川には、一尺位のごちほども大きい鰍がいるが、これはまことに不味で戴けない。こ....
「石亀のこと」より 著者:佐藤垢石
ても、よく食いついた。魚釣る餌には、誰でも苦労するものだ。 後年、相州小田原の
酒匂川へ遊んだとき、土地の釣り人が道楽に処女の髪の毛を用い、たなご鈎ほどの小さな....
「想い出」より 著者:佐藤垢石
川を中心とした釣り人が造った言葉であったからだろう。 石川釣りをやる人も、まだ
酒匂川筋では稀であって、多くは石亀(川虫)を餌にした虫釣りか、十本五銭位で買える....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
い。浴客がゆかた掛けに麗人を具して釣りする姿を見るは、早川のみにある風景である。
酒匂川も捨て難い。二宮尊徳翁の故郷、栢山村を中心として釣りめぐれば殊のほか足場が....
「春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
。 大正六、七年ごろであったと思う。八月の炎暑の午後、相州小田原の傍らを流れる
酒匂川の川尻で、私が黒鯛を釣っていると、そこへ五十歳前後の釣り師がきて、私と並ん....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
からである。 鮎は、水温の高い川に好んで棲む魚である。静岡の安倍川や、小田原の
酒匂川は、六月過ぎて水を水田へ引き上げる頃になると、川は枯れて水温は非常に高くな....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
で知らぬ人はあるまい。さらにその下流の馬入川では、淡水魚と海魚が混じって釣れる。
酒匂川は、私の友釣りを生んだ場所である。箱根から流れ出る早川の鮎は、水利事業のた....
「若鮎について」より 著者:北大路魯山人
あゆの小さなものは、どうかするとうまくないというひともあるが、わたしは一概にそうは思わない。 小田原の手前に
酒匂川という川がある。まだ禁漁中にあの近辺のひとが
酒匂川のあゆをよく盗み取りする....
「若鮎の気品を食う」より 著者:北大路魯山人
しいところにいるものでなくては、ほんとうの鮎とは言えない。東京近くでは若鮎ならば
酒匂川の下流が割合によい。多摩、厚木などのものは、私どもの口に合わない。 若鮎....