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「酒客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酒客の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
酒の追憶」より 著者:太宰治
え時たま行われているのである。 とにかく私にとって、そのような優雅な礼儀正しい酒客の来訪は、はじめてであった。 「なあんだ、そんなら一緒に今夜、全部飲んでしま....
午市」より 著者:宮本百合子
際の安さんなんぞは、随分いけるんでしょう?」 彼等の間には、また新らしく故郷の酒客の噂が上りはじめた。健介は、おふゆを通して、小関の遠縁に当っていた。おふゆの....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ござりますので、その外のものは……」 「ほう、飲まぬと申すか。さてさて量見の狭い酒客じゃて。」容堂の言葉には、客の高慢な言い草を癪にさえるというよりも、それをお....
野道」より 著者:幸田露伴
。双方共に苦いが、蕗の芽は特に苦い。しかしいずれもごく少許を味噌と共に味わえば、酒客好みのものであった。 困ったのは自分が何か採ろうと思っても自分の眼に何も入....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ていた。彼の眼の周りには、ジェフリーズ★の肖像画からこの方、法律家仲間のすべての酒客に見られる、また、画の技巧でさまざまに違うが、いずれの飲酒時代の肖像画にも認....
火の扉」より 著者:岸田国士
しんでいる国ことばをまるだしに、さん/″\、男性ば倒をやらかした。それは、中年の酒客にとつて、思いがけぬ座興となつた。どつとあがる笑い声に、ほかのいくつかの席は....
魔都」より 著者:久生十蘭
立し、いずれも杯盤狼藉たる有様。のみならず不思議なことには、三十人にも余る男女の酒客は、ほとんど満足に椅子に掛けているものなぞはない。いずれも酒場のお仕着せらし....
経世の学、また講究すべし」より 著者:福沢諭吉
し。仏蘭西の南部は葡萄の名所にして酒に富む。而してその本部の人民にははなはだしき酒客を見ざれども、酒に乏しき北部の人が、南部に遊び、またこれに移住するときは、葡....
三国志」より 著者:吉川英治
点ぜよ」 と、素っ気なくいいつけた。 湯を点ぜよ――ということは、ちょうど、酒客に対して茶を出せとか、飯にしろとか、主人が給仕の家族へ促すのと同じことである....