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「酒手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酒手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
、 「ときに皆さん、あのとおり御者も骨を折りましたんですから、お互い様にいくらか酒手を奮《はず》みまして、もう一骨折ってもらおうじゃございませんか。なにとぞ御賛....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
は、気をつけてね。あそこだよ」 「へい。心得ました。そのかわり、晩にはたんまりと酒手を頼んまっせ」 いうと、人足は酒手にほれたもののごとく、表へ向かって歩きだ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 「黙って首なんぞひねらなくたっていいんだよ。ほら、小判で五両やるから、これで酒手もなにもかも含めてな、大急ぎに遠出|駕籠《かご》を三丁雇うてこいよ」 「ゲエ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
里心出して、野郎どもにかまをかけてみたんですよ。するてえと――」 「破牢罪人から酒手をもらって、ふたり分へえれる寝棺を、ゆうべあそこへかつぎ込んだといったろ」 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と云うのである。お角も駕籠に付いて行って、そこの立場茶屋へ島田を扶け入れ、相当の酒手をやって駕籠を戻した。駕籠屋の話によると、島田は前後不覚に酔っていたが、決し....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
逢わなかった。四ツ(午後十時)過ぎになっても何の変りもないので、七兵衛は幾らかの酒手を二人にやって別れた。 「今夜はいけねえ。あしたの晩もまた来てくれ」 あく....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
勇作も赫となりました。平作とても大して悪い奴でもない。鎧櫃の秘密を種にして余分の酒手でもいたぶろうという位の腹でしたろうから、なんとか穏かに賺して、多寡が二百か....
遺恨」より 著者:坂口安吾
、ダンスをやり、泥酔し、学問は怠け、学業はそっちのけに怪しげな学生劇を興行して、酒手を稼いでいる。 そのことに就いて学生どもに訓戒の一席を弁じると、 「先生、....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ら村役人と一緒に退出した。外へ出るとまた村役人から一通りお小言をきいて、二百文の酒手を出して村役人にお詫びをした。この話を聴いた者は皆言った。阿Qは実に出鱈目な....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
んか。アハハ。雲さんときやがら。箱根の雲さん」 「やい。よせやい」 「怒るなよ。酒手をだすから。ともかく、雲さんの話をきいて、考えてみましょうよ。敵の話がホント....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
はそこに詰めるのが普通であるが、捨吉はモーローだから、辻で客を拾う。客によっては酒手をたんまり強奪しようという雲助稼業である。 商店の奥をのぞくと、時計は九時....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
れて、小粒を三つ四つ懐中から出され、 「これで機嫌を直してくれ、約束の他の当座の酒手じゃ」と、なだめるように申したことです。 五 ところがどう....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
籠の戸をあけて覗いたが、 「よろしい、ここで下ろしてくれ」駕籠から出ると 「それ酒手だ」 「これは何うも、莫大もない」 喜んで帰る駕籠|舁を見すて、赤川大膳先....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
を拾うと走らせた。 「へいよろしゅうございます」 駕籠屋に対しても丁寧である。酒手まではずんだ丁寧松は、駕籠を下りると歩き出した。 13 立派な旅籠屋が立っ....
おせん」より 著者:邦枝完二
笠森おせん御用駕籠とでも、札を建てて行きてえくらいだ」 いうまでもなく、祝儀や酒手の多寡ではなかった。当時江戸女の人気を一人で背負ってるような、笠森おせんを乗....