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「酒色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酒色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
宗春も愛妾お半の方を得て、すっかり藩政に飽きて了った。そうして日夜昏冥し、陶酔的酒色に浸るようになった。 聖燭節から節分になり、初午から針供養、そうして※槃会....
不審庵」より 著者:太宰治
やしくもこの道を解すれば、おのれを慎んで人に驕らず永く朋友の交誼を保たしめ、また酒色に耽りて一身を誤り一家を破るの憂いも無く、このゆえに月卿雲客または武将の志高....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
銀は殖えるばかりで、まさに、それこそ「暗闇に鬼」の如き根強き身代、きらいなものは酒色の二つ、「下戸ならぬこそ」とか「色好まざらむ男は」とか書き残した法師を憎む事....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
あの酔漢は丸山本妙寺中屋敷に住む人で、元は小出様の御家来であったが、身持が悪く、酒色に耽り、折々は抜刀などして人を威かし乱暴を働いて市中を横行し、或時は料理屋へ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
マ帝政時代の末期――精神的、霊的のものは悉く影を潜めて、所得顔に跋扈するは、ただ酒色と、荒淫と、悪徳と、劣情……若し汝にしてその実情に接触せんか、初めて闇の魔群....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
った。フョードル・パーヴロヴィッチはたちまち自分の家へたくさんの女を引き入れて、酒色にふけるようになった。また、その合い間合い間には、ほとんど県下一帯を回るよう....
無法者」より 著者:豊島与志雄
みに「先生」と呼ばれていた。つまり、羽振りのいい紳士であり、幸福な文化人なのだ。酒色に金を浪費することは厭わないが、他人への単なる金銭的援助は拒否した。 外出....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
する。これに対しても、選手は満足しているようである。選手の生活は保証されており、酒色にふけらない限り、お金には困らない。 選手は概ね単純な若者である。概して教....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
とテキメンにやられる。殆ど即死の大患にやられるのである。次に大酒がよろしくない。酒色を慎しむことが潜水夫の第一課だ。しかし清松は海の男の中でも音にきこえた豪胆者....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
中には、必恒藤恭の如き、辛辣なる論客を有せしなるべし。 恒藤は又謹厳の士なり。酒色を好まず、出たらめを云わず、身を処するに清白なる事、僕などとは雲泥の差なり。....
稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
すから、箕島、仙波、京山の三人が、共謀して、宝石専門の盗賊となったのも、あながち酒色に費す金がほしいばかりでなかったのであります。しかし、どうして三人が一しょに....
梅雨晴」より 著者:永井荷風
一子|優善《やすよし》なるものがその友と相謀《あいはか》って父の蔵書を持ち出し、酒色の資となす記事に及んだ時、わたしは自らわが過去を顧みて慚悔《ざんかい》の念に....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
なりとす。この慈善事業の盛んなる余弊として、貧民が一日働きて得たる金はみなこれを酒色に投じ、貯蓄の念を起こさざらしむという。 そのほか、一般に時間を確守せざる....
ろくろ首」より 著者:小泉八雲
たものの一代記です。私はある大名に仕えて、重もい役を務めていました。しかし余りに酒色に耽って、心が狂ったために悪い行をいたしました。自分の我儘から家の破滅を招い....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
早く入学した弟とは同級だったのです。 火花を散らすような勉強を強いられる者と、酒色にふけって学校なんかろくすっぽ行かない者とその二人が一緒に一高の試験を受けた....