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酒蔵
「酒蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酒蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
からで。 半蔵と寿平次とは一歩先に出た。二人は本陣の裏木戸から、隣家の伏見屋の
酒蔵について、暗いほど茂った苦竹と淡竹の藪の横へ出た。寺の方へ通う静かな裏道がそ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の内を仕切って、一方を店座敷に、一方の入り口に近いところを板敷きにしてある。裏の
酒蔵の方から番頭の運んで来る酒はその板敷きのところにたくわえてある。買いに来るも....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
想像して見るがいい。高山霊場の女人禁制は言うまでもなく、普通民家の造り酒屋にある
酒蔵のようなところにまで女は遠ざけられていたことを想像して見るがいい。幾時代かの....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
はまた川向いにある彼女の叔母の縁づき先であった町長の新築の屋敷に招かれて、広大な
酒蔵へ案内されたり、勾欄の下を繞って流れる水に浮いている鯉を眺めながら、彼の舌に....
「地上」より 著者:島田清次郎
た。彼の計画は見事に的中して、新しい生気が村中に溢れて来た。村外れの空地に大きい
酒蔵が建てられ、白壁がきら/\日光に輝く下で、若い村の青年が、かん、かん、かんと....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
床几《しゃうぎ》かな 三井寺や日は午に逼る若楓《わかかへで》 柚《ゆ》の花や善き
酒蔵す塀《へい》の内 耳目肺腸こゝに玉巻く芭蕉庵 採蓴をうたふ彦根の※夫かな 鬼....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
阿を覆へ。
四阿は四阿に並べり。
芽ぐむ蔓草あり。
枝たわわなる葡萄は
籠み合ふ
酒蔵の
桶に灌げり。
泡立つ酒は
小川と流れ、
浄き宝玉の
川床にせゝらぎて、
....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
皆顔から飛び出しそうに光っていた。夥しい血しおを見、血のにおいに吹かれて、彼らは
酒蔵へ入ったように血に酔っていた。血の中に立つと、勇者は常よりも冷静になるし、怯....
「三国志」より 著者:吉川英治
―その代り、いざとなったら直ぐピンと張れよ」 こういって、彼は、封印しておいた
酒蔵から、大きな酒瓶を一箇、士卒に担わせて来て、大勢の真ん中へ置いた。 「さあ飲....
「三国志」より 著者:吉川英治
蒋幹は幾度かゆり起してみたが、覚めればこそ、いびきを増すばかりで、房中もたちまち
酒蔵のような匂いに蒸れた。 ただただ胆を奪われて、宵のうちから酔えもせず、ただ....