酒間[語句情報] »
酒間
「酒間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酒間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オランウータン」より 著者:豊島与志雄
云うのだ。 一度放浪した者には東京での就職は無理だろう、というようなことから、
酒間の冗談に、私が某会社の重役となり、彼が学校出たての青年となって、口頭試問をや....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
いたためしはない。万事につけてその筆法で、その意味の専門技術士であった。 私は
酒間に、わざと、何年間と思いやつれている人がいるんだけど、一晩ぐらい、なんとか、....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
いが、愛読者であってもなくても、要するに十七年間肌身はなさず、というようなことは
酒間のノロケには適当かも知れんが、それ以上に考うべきことではなかろう。それを機縁....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
雷門の「よか楼」などにもよく集ったものである。 三州屋の集りの時は芳町の芸妓が
酒間を斡旋した。 パンの会は、当時、素晴らしい反響を各方面に与え、一種の憧憬を....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
から、酒が出たりしました。岡倉氏は酒は強い方。私もその頃は多少いける方であった。
酒間にいろいろ寛けて話し合いました。岡倉氏は、話が纏まって悦ばしい。浜尾校長もさ....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
後者はつとに本人も読んで知っていて私たちは絶対あの心構えでありたいとも、ある時の
酒間では私に語ったことだった。 この人の今後の年一年は特異な話術世界への開拓が....
「申訳」より 著者:永井荷風
。銀座街ノカツフヱー皆妙齢ノ婢ヲ蓄ヘ粉粧ヲ凝シテ客ノ酔ヲ侑ケシムルコト宛然絃妓ノ
酒間ヲ斡旋スルト異ラズ。是ヲ江戸時代ニ就イテ顧レバ水茶屋ノ女ノ如ク麦湯売ノ姐サン....
「三国志」より 著者:吉川英治
燈のきらめきと龕の明りがかけ連ねられた。 こよいの曹操はひどく機嫌よく、自身、
酒間をあるいて賓客をもてなしなどしている風なので、客もみな心をゆるし、相府直属の....
「三国志」より 著者:吉川英治
、大酔したふうを装いながら、次第に大股を加え、 「すくなくも一国の大事を、軽々と
酒間に談じるのは、よろしくない。かつは甚だしく久濶の情をやぶり、せっかくの酒興を....
「三国志」より 著者:吉川英治
としか振り廻せない若輩で、いわば大人と子供のちがいですから、まあおゆるし下さい。
酒間の戯談は、たれも一時の戯談としか聞いておりませんから」 と、ふかく謝して慰....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
量のほども知っておられる。み手ずから酌してあげぬばかりなおすすめの仕方であった。
酒間には、法皇のお覚えよき寿王とかいう冠者の“落蹲ノ舞”などあって、女房たちの座....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
”を、誰かが改作したものらしく、高時は思うこと、言いたいことを、即興的に加えて、
酒間、酔うとよく、謡い踊っていたものだった。 火の雨、鬨の声、めくら撃ちの矢か....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
深まっていた。 といっても、この婆娑羅同士のことである。 遊宴、放逸、どんな
酒間においても、腹のなかのより大きな欲望はいつも忘れていなかったろう。――で、お....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
態か、別府の夜はやはり別府の夜になってしまう。温泉地熱帯生理現象がやがてぼつぼつ
酒間にわいてくる。西部出版支部長のHさんなど、この地帯の常住魚族としても恥じない....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
ち、また大挙、中国攻略の軍を決断なさらぬのか……官兵衛は実に歯がゆいと思います」
酒間のはなしには、興に入っているほど、とかく余事にわたってしまったり、ほかへ話題....