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酔い倒れ
「酔い倒れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酔い倒れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
覗《のぞ》かれる空には昼月が少し光って見え隠れに眺められた。彼れは遂に馬力の上に
酔い倒れた。物慣れた馬は凸凹の山道を上手に拾いながら歩いて行った。馬車はかしいだ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と晴れて、表の往来には明るい日のひかりが満ちていた。 四 半七はとうとうそこに
酔い倒れてしまった。店の真ん中に寝そべっていられては甚だ迷惑だとは思ったが、誰も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を云って、番人の七助をはじめ、六人の者もさんざんにしゃべって、騒いで、いい心持に
酔い倒れてしまった。畑中の一軒家ではあるが、かれらの笑い騒ぐ声が亥の刻頃まで遠く....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れらの話から考えると、かれは寒さ凌《しの》ぎに燗酒をしたたかに飲んでの前後不覚に
酔い倒れて、とうとう凍《こご》え死んでしまったのではあるまいかと半七は判断した。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に行った一人であるだけに、いよいよ好い心持がしなかった。彼はまた酒を無暗に飲んで
酔い倒れてしまった。女房と娘とはしっかり抱き合ったままで、夜のあけるまでおちおち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寝ている女の死んだのを知らないというのは、いかにもうしろ暗いようにも思われるが、
酔い倒れていたとあれば無理はない。おそらく二人が正体もなく寝入っているところへ、....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
子男を片端から罵倒し初めたが、村長は折を見て辞し去った。校長は先生が喋舌り疲ぶれ
酔い倒れるまで辛棒して気※いていた。田甫道に出るや、彼はこの数日の重荷が急に軽く....
「大江山」より 著者:楠山正雄
鬼はたいそうお酒が好きで、名前まで酒呑童子といっております。好物のお酒を飲んで、
酔い倒れますと、もう体が利かなくなって、化けることも、にげることもできなくなりま....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
。 好子が出て行ったあとで、深田君も悲しい暗い心持になった。宵に自分が他愛なく
酔い倒れてしまわなければ、このわざわいを未然に防ぎ止めることが出来たかも知れない....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
大部屋にいたか」 「そこまでは気がつかねえや。なんしろバカ騒ぎの最中だし、半分は
酔い倒れていやがるし、ロウソクは薄暗えや。オレは隅ですぐ寝ちまったからな」 「人....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
ら、いずれも腹いっぱいに飲んで食って、酔って歌った。相当に飲む治三郎もしまいには
酔い倒れてしまった。 大仏の八つ(午後二時)の鐘が山の葉桜のあいだから近くひび....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
もより早く終ったのですが、叔父はやはり家へは帰りませんで、どこかの貸座敷へ行って
酔い倒れてしまったのでございます。人間もこうなっては仕様がありません。譲ってもら....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
な大雷雨であった。お冬はそのあくる日も帰ることを許されなかった。夜になって磯貝が
酔い倒れた隙をみて、彼女ははだしで宿屋をぬけ出して、暗い山路を半分夢中で駈け降り....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
とっている。其が却って源氏の心の底の怒りに触れて来る。そして源氏は柏木を呼んで、
酔い倒れるまで無理強いに酒をすすめる。柏木は其が原因で病死する。源氏が手を下さず....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
にこのような警戒心を備えさせてしまったのであろう。 支那人は酒をのんでも決して
酔い倒れるようなことがないという。酒を呑んで殺されてもしようがないからだ。呑気き....