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「酔人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酔人の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
『淵鑑類函』に〈虎小児を食わず、児痴にして虎の懼るべきを知らず、故に食わず、また酔人を食わず、必ず坐して守り以てその醒《さ》むるを俟《ま》つ、その醒むるを俟つに....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
夏の日の花園を、経木真田の帽一つ、真裸でぶらつく彼は、色の宴、光の浴に恍惚とした酔人である。彼は一滴の酒も飲まぬが、彼は色にはタワイもなく酔う。曾て戯れにある人....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《すく》わず、星夜|視《み》れば黒気天に上る、蛟|孵《かえ》る時|蝉《せみ》また酔人のごとき声し雷声を聞きて天に上る、いわゆる山鳴は蛟鳴で蛟出づれば地崩れ水害起....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
現もないのである。なぜならアルコールの麻酔が、観照の智慧を曇らしてしまうからだ。酔人には芸術がない。 第七章 観照に於ける主観と客観 いかなる純情....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
文字を惜し気もなく撒布した所であった。又著書に於ても飄逸奇突を極めて居るのは「三酔人経綸問答」の一篇である。此書や先生の人物思想、本領を併せ得て十二分に活躍せし....
」より 著者:森鴎外
らぬ、動けば隙を生ずる、隙を生ずれば乗ぜられると云うような事であった。石原は虎が酔人を※わぬと云う譬を引いた。多分この講釈は柔術の先生に聞いた事をそのまま繰り返....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
連なる 前の歌と同じ調子、同じ非難なり。〔『日本』明治三十二年四月二十二日〕酔人の水にうちいるる石つぶてかひなきわざに臂《ひじ》を張る哉 これも上三句重....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
路傍に放棄せらる。盗賊来つて長持を破るにその中《うち》に人あるを見て驚いて逃ぐ。酔人|目覚《めざ》めて四顧《しこ》焦土となれるを見その身既に地獄にあるものと誤り....
夏の町」より 著者:永井荷風
汚る 月明今夜消魂客。 月明るく 今夜 消魂《しょうこん》の客 昨日紅楼爛酔人。 昨日《さくじつ》は紅楼に爛酔《らんすい》するの人 年来多病感前因。....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
肴のあるのを見ずに知る。 そこでお出入先の食卓で 手柄をする気が出て来るのだ。酔人 (正気を失ひゐる。) どうぞきょう己達にあらがってくれるな。 なんだか....
三国志」より 著者:吉川英治
せ、人々は地に面をおおい、天に眼をふさいだ。 この日、太陽は妙に白っぽく、雲は酔人の眼のように、赤い無数の虹を帯びていた。市人も、耕田の農夫も、 「これはいっ....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
結合と思われる。東北は一般に、小児がだだをこねることをゴンボホルといい、あるいは酔人が管を巻くことをもそういう処があり、後の方が古くからあったようである。 今....