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酔余
「酔余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酔余の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竹青」より 著者:太宰治
無くなっていて、いまは親戚一同から厄介者の扱いを受け、ひとりの酒くらいの伯父が、
酔余の興にその家の色黒く痩せこけた無学の下婢をこの魚容に押しつけ、結婚せよ、よい....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
しはまた、なんだよ、その、イワン……へ、へ、へ!」そこで彼はふいと口をつぐんだ。
酔余の、引きのばしたような、半ば意味のない、薄笑いがにやりとその顔にひろがった。....
「潮風」より 著者:豊島与志雄
な怪しく形が歪んで、笑ったり踊ったり、生きて動いてるがようだった。それは必ずしも
酔余の戯作とは云えなかった。創造的な不思議な活力がこもっていた。 わきから覗い....
「霧の中」より 著者:豊島与志雄
品のせいばかりでなく、精神力も多少働くのではないかといい出し、それがきっかけで、
酔余の競争が始まった。どういう薬品か、宮川はそれを秘密にしているが、紙の上に掌を....
「逢魔の刻」より 著者:豊島与志雄
立掛けてある。そして彼は地酒の酔に日焼の顔を輝かしながら、立続けに饒舌った。その
酔余の冗言を言葉通りに写せば長くなるから、概略すれば―― 彼は鋸一本で……それ....
「「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
、右の某君の冒涜な言は、筆者の筆を走らす動機の一つともなった。某君は酒席などで、
酔余の饒舌のうちに、若い美妓なんかに対して、往々変なことを口走る。 「君なんかは....
「奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
ずる穴が幾つあるか、知っていますかと。 身体に幾つ穴があるかなどということは、
酔余の戯れに婦女子などに云いかける言葉で、ばかばかしくて、私はただ笑って答えなか....
「オランウータン」より 著者:豊島与志雄
、やけ酒も飲んだし、無意味な彷徨もした――母が病気で寝込んではいるが。 深夜の
酔余の彷徨の帰りには、神社の境内を通りぬけることが多く、そのような時、足は自然に....
「或る夜の武田麟太郎」より 著者:豊島与志雄
厳粛であり痛烈であり尖鋭であった。――この時の彼の意見を述べれば長くなるし、また
酔余の論議なので私は充分に記憶していない。 ただ、こういう作家論を痛快にやって....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
木箱をさげ、周さんはジャケツのままで、鶴嘴と鍬を持った。 頷き合って出かけた。
酔余のいたずら、でもないし、真面目な意図、でもないし、何が何やら分らないながらも....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
のである。 「アア無情」それは酔ッ払ッて泣きだした三高のセリフではないか。三高は
酔余のことで覚えがないのか、今までと変りなく、ちょッと苦笑しているだけである。 ....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
士郎を訪ねて酒をのむ。私は酔っ払って、音無川へ水浴に行った。尾崎士郎を訪ねた時の
酔余のよろこびはこれである。音無川で水浴したのも私が最初。裏の畑の野天風呂で晩秋....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
は竜土会であったか、それとも別の会合のおりであったか、いずれにしてもその席上で、
酔余の興に乗じて書き散らしたその中の一枚である。鶴見は半切や短冊をねだって書いて....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
切に保存している―― 古今独歩と大きく書いて、下に国北生と署名したのは、独歩が
酔余の達筆である。自分の似顔に鬼のような角を生やして、毒哺生と名を署したのも彼で....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
いので、美人に接するのは有難いがどうもてれくさくあまり行ったことはないが、しかし
酔余の余興に、三、四度|伺候したことがある。 評判だけあって、中々美人が多い、....