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「酔眼朦朧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酔眼朦朧の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、いゝ加減にしろ」 石子は定次郎の肩を掴まえた。 定次郎はひょろ/\しながら酔眼朦朧として、石子刑事の顔を見据たが、嬉しそうに叫んだ。 「やあ、旦那ですか」....
野狐」より 著者:田中英光
ついていかれて、奥さんに引きとめられ、奥に寝かされに連れてゆかれてしまった。私も酔眼朦朧として、その様子を眺めていたが、早く、桂子を連れださねばならぬと思い、彼....
労働者の居ない船」より 著者:葉山嘉樹
ったように、慄え上ってしまった。 彼女は全く酔っ払いだった。彼女の、コムパスは酔眼朦朧たるものであり、彼女の足は蹌々踉々として、天下の大道を横行闊歩したのだ。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ること、金魚の餌を争うが如し。道庵、眼をさまして、はじめて驚き、 「しまった!」酔眼朦朧《すいがんもうろう》として四方《あたり》を見廻したけれども、もう遅い。 ....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
髪粉をつけ(註一二)って、テーブルに両腕を張って腰掛けている、垢じみた、鈍重な、酔眼朦朧たる、ぼろぼろ着物の案山子みたいな例の海賊君との対照が、目に止ったことを....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
違っていた。確かにはなはだ驚異の値打があった。 空の色が黒くなって来た時、彼は酔眼朦朧として、酒屋の門前に現われた。彼は櫃台の側へ行って、腰の辺から伸した手に....
魔都」より 著者:久生十蘭
のいい、例えば小粒の真珠のような歯の間から、ヒクヒクと動く小さな舌の先が見える。酔眼朦朧たる加十の眼にもこれは実以て美事な眺めなのだ。 鶴子は加十にシャンパン....
ビール会社征伐」より 著者:夢野久作
「どうも今日は御馳走様になりまして」 と言って切り上げようとすると、背後から酔眼朦朧たる仮装マネージャーが前に出て来て、わざとらしい舌なめずりをして見せた。....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
りとうざん》の財布が影も形もないのである。さては、と思って透《す》かして見ると、酔眼朦朧《すいがんもうろう》たるかれの瞳に写ったのは、泥濘《ぬかるみ》を飛び越え....