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酬い
「酬い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酬いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
そういってホーテンスは大きな溜息をつき、ぐっと一ぱい酒をあおった。 「努力が
酬いられたのだ。神は常に見て居給《いたも》う。そして正しき者へ幸運を垂れ給う」 ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
置くことぞ。ホイットマンも嘗てその可憐な即興詩の中に「自分は嘗て愛した。その愛は
酬いられなかった。私の愛は無益に終ったろうか。否。私はそれによって詩を生んだ」と....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
。 「すると本庁では事件を猛烈に重大視しているのですネ」 と、早速記者の一人が
酬いた。 「犯人は精神病者だということですが、そうですか」 と、他の一人が鎌を....
「蠅男」より 著者:海野十三
かね、ワッと声をあげて愛人山治の膝に泣き崩れた。 さて探偵帆村荘六の努力が遂に
酬いられて前代未聞の「蠅男」の全貌が始めて明らかになった。中でも悦んだのは、府下....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
けた。 だが、流石に専門家の鑑定は見事に当って、やがて司法主任の努力は、段々|
酬いられて来た。 まず、その日の夕方になって、脱走狂人の一人「歌姫」が、とうと....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
し、顔色も元に戻ってしまった。そして警部はここで、用意しておいた次の言葉で帆村に
酬いた。 「そう君のように、何でもかんでも目につくものについて、起り得るあらゆる....
「地球要塞」より 著者:海野十三
のだ。狙われるだけの価値があるのじゃ。わが大東亜共栄圏は、三十年来の建設的努力が
酬いられて、ついに今日世界の宝庫となるに至ったのだ」 元帥の眉が、ぴくんと動く....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
ツ軍の長距離砲|敢えて恐るるに足らず、われまた、更に一歩進んだ新長距離砲をもって
酬いん!” という記事もあって、いよいよ近く英独は、ドーヴァ海峡を距てて対戦す....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
ゃ。今夜の御饗応がわりに、直ちに駆けつけて、殺人鬼を打ち取って参り、諸兄の友誼に
酬いるで厶ろう。お妙――も楽しみにして、ちょっと待っていやれ」 呪いの凶刃....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
のこまかいものだ。いまはむしろ小説なら表題を告げて置くだけの方がこの女の親しみに
酬いる最も好意ある方法だ。それで新吉は砂糖を入れ足すのを忘れている甘味の薄い茶を....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
おなごりに、貴女のお傍を離れるに就いて、非常な手段を用いたですよ。 五年勤労に
酬いるのに、何か記念の品をと望まれて、悟も徳もなくていながら、ただ仏体を建てるの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の現世の生命は短くて、いつ死ぬか分からないが、もし不信仰の罰をまぬかれて、信仰の
酬いとして来世における永遠の生命を把握しようとするならば、今後すみやかに悔い改め....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
sollst. は私の絶愛の句であるが、誠心誠意、読書子のために計る仕事は必ず
酬いられるものであるとの確信を得た。私は本屋になった甲斐のあったことを初めて知り....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
政治家的面目が仄見える心地がする。 沼南の五十年の政治家生活が終に台閣の椅子を
酬いられなかったのは沼南の志が世俗の権勢でなかったからばかりではない。アレだけの....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ざりたい人の こころは窪む 真実は 人を落ちつかせ こころを窪ませない 爪に爪が
酬い 憎みに憎みが来るように 垢はまた垢を呼ぶ 垢にはまた バチルスが 宿る バ....