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「酬う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酬うの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
交際して精神上には非常に誘掖されてるにも関わらず、二葉亭に対していまだかつて何も酬うておらぬ。坪内君に対して実に恥入る。かつまた二葉亭に対して彼ほど厚情を寄せら....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
子は鴨田のことを爪の尖ほども言わず、却って西郷のことを弁明した。これは西郷の愛に酬うことができなかったので自ら弁解をつとめて償いをし、一方鴨田との愛の問題はもう....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
申し上げるまでもござりませぬ。かかる場合にこそこの老人、ご恩をお返し致さねばいつ酬うこと出来ましょうや……さて」 と武右衛門はこう云って来てにわかに一膝いざり....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
様なにおちぶれ果てました、私はもう前世の約束だと思って居りますが、親の因果が子に酬うとやら、何にも知りません子供たちにまで(涙をふき)饑じいめをさせます、何方と....
」より 著者:島崎藤村
牧野の深い心づかいを感じた。自分のベストを尽すということより外は、この友達の志に酬うべきものは無い、と思った。 四月に入って、三吉は家を探しがてら一寸上京した....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
柑を贈ってくれた。余は 紀の国のたより来る日や風|薫る 斯様な悪句を書いて酬うた。或時君の令弟が遊びに来た。聞けば、細君は別居して、家庭はあまり面白くもな....
三国志」より 著者:吉川英治
し、鄒氏も鄒氏だ……」 「まあ、胸をさすっておいで遊ばせ。その代りに、曹操へは、酬うべきものを酬うておやりになればよいでしょう」 謀士賈※は、何事か、侍臣を遠....
三国志」より 著者:吉川英治
るに、いまとなってこの曹操をのぞかんとするは何事であるか、暴に対しては暴をもって酬うが予の性格である、逆子乱臣と呼ばば呼べ、予は決意した。いまの天子をのぞいて、....
三国志」より 著者:吉川英治
ものの、従って、白馬の戦いに、いささか献身の報恩をなし、丞相の危急を救うてそれに酬う。今日はさる私情にとらわれて、私に赦すことは相成らぬ」 「いや、いや。過去の....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
もいわずに弦之丞が、せっかく手に入れた秘帖の一端を裂いて老人へ贈ったのは、それに酬う武道の情義であった。いいかえれば、恩讐を超えた心と心の答礼だった。 「ありが....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
をこぼし、 「――だが、済まないのは、わが子に対してだ。おれのした結果は、おれに酬うより、あの城太郎のほうへより多く祟っている。とにかく、姫路の池田侯に藩臣とし....