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「酵母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酵母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
めにしたい欲望が擡《もた》がってまいりました。あの雪毛のような白い肉体が、腐敗の酵母となって、私の心をぐんぐん腐らせていったのです。そのためですかしら、私の身体....
自分だけの世界」より 著者:辻潤
著しく台頭して来たソシアリズムの精神は遠く明治初年に於ける仏蘭西学派にその最初の酵母を有するが如くに思われるけれど、少くとも日本現代に於けるそれは基督教のイディ....
ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
けゃしない。諸君が一寸|葡萄《ぶどう》をたべるその一|房《ふさ》にいくらの細菌や酵母《こうぼ》がついているか、もっと早いとこ諸君が町の空気を吸う一回に多いときな....
作品と生活のこと」より 著者:宮本百合子
こるものがある。それが、問題であるか、感銘であるかは別として。そののこったものが酵母となって、わたしたちの心情に働きかけ、そこで、経験のなかから、文学のテーマが....
愛は神秘な修道場」より 著者:宮本百合子
間の裡にある生活力は多くの場合その恋愛のために燃えつきるようなことはなく、却って酵母としてそれを暖め反芻し、個人の生活全般を豊富にする養液にしてしまいます。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お》じたがる癖がついている。影を自分から拡大して、そのまた拡大した影に、自分から酵母を加えて驚きたがる癖が出来たようです。 熱田の宮前では、今や家財道具のおも....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
仲間で活躍しているのだから面白い。父ドウデエの作品がこのように一家の歴史のすすむ酵母を既に語っている、そこが又面白く思われる。 一緒に送りかえされて来た購求の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
す、何も彼もだから、やりくりも遂につまってしまいます。 エビオスの定量。あれは酵母剤で、そんなにむずかしいものではないらしいのですが、今もしもと思って買ってあ....
わが愛好する言葉」より 著者:太宰治
どうも、みんな、佳い言葉を使い過ぎます。美辞を姦するおもむきがあります。鴎外がうまい事を言っています。 「酒を傾けて酵母を啜るに至るべからず。」 故に曰く、私には好きな言葉は無い。....
砂漠の情熱」より 著者:豊島与志雄
のずからの情熱が醗酵するものである。それをして砂漠の情熱たらしむるか否かは、その酵母の問題である。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
リストフに示した。調査の結果によれば、「恋愛はすべてを神聖にす、」「肉欲は芸術の酵母なり、」「芸術は不道徳たり得ず、」「道徳は偽善的教育によって注入せられたる因....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っては、それでもなお多とすべきである。すなわち彼らは、活動の発酵素であり、生活の酵母である。――アントアネットは、カトリック教徒らのうちで、氷のように冷淡な壁へ....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
情緒とを超越して高まろうとするあるものを欠いた恋は低卑である。このあるもの、霊の酵母がないと防腐剤がない肉のように、恋は臭いを発するようになる。情緒の過剰は品位....
熟語本位英和中辞典」より 著者:斎藤秀三郎
はらわたのちぎれる思いする)。 Yeast(ユィースト)【名】(麹の醗酵したる)酵母(もと)。パン種。-'y【形】(酵母の如く)泡立てる。(より)醗酵せる、沸騰....
千里眼その他」より 著者:中谷宇吉郎
は益々大きくなった。 そのうちにバクテリアの増殖の場合にも出ることが分り、また酵母からも放射されるという人も出て来た。こういう風に研究が進んで来ると、化学変化....