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「酷似〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酷似の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
戮《さつりく》と掠奪とに勝ち誇っている蜘蛛の姿を照らした。灰色の繻子《しゅす》に酷似《こくじ》した腹、黒い南京玉《ナンキンだま》を想わせる眼、それから癩《らい》....
路上」より 著者:芥川竜之介
つ発見した。それは花房《はなぶさ》の声や態度が、不思議なくらい藤沢《ふじさわ》に酷似《こくじ》していると云う事だった。もし離魂病《りこんびょう》と云うものがある....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ある所へ、君は今この汽車の中で西郷隆盛――と云いたくなければ、少くとも西郷隆盛に酷似《こくじ》している人間に遇《あ》った。それでも君には史料なるものの方が信ぜら....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
又 古来賭博に熱中した厭世《えんせい》主義者のないことは如何に賭博の人生に酷似しているかを示すものである。 又 法律の賭博を禁ずるのは賭博に依....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いない。こうしてすべての情況が、その即死したらしい有様といい、何もかも博士の室と酷似していて、格闘の形跡は勿論のこと、犯人が跳躍した跡は、何処にも見出されないの....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
が窺われます。 それから笛吹川の驚くべき陰謀としては、例の勝見伍策が、彼に全く酷似した容貌や背丈をもっているのを発見して巧く手なずけたのです。勝見は既に彼自身....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、小砂利道の突当りが、ディグスビイの設計した墓※だった。 墓※祭時代のものに酷似してはいる、がかえってそれよりも、ヒステリー患者の弓状硬直でも見るようで――....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
もせずに歩いていると、前の方で一群の子供がまた乃公の噂をしている。目付は趙貴翁と酷似で、顔色は皆|鉄青だ。一体乃公は何だってこんな子供から怨みを受けているのだろ....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
知のことであろうが、左と右、右と左といった具合に、双生児の各半面が相手の反対側に酷似することである。 画中では、それが頭の渦にも、利手にも顔の歪みにもあったの....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の裾の太い襞の部分を取り上げて、それを浄善の扼痕に当てがってみたが、形状が非常に酷似しているにも拘らず、太さも全長も、到底比較にならぬ程小さいのだった。法水は、....
周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
れた四つの穴がある。西原奉幣使は登山の為にこの穴を実見し、その形式の女山の水門に酷似している点に注目され、これを連絡すべき列石を捜索された。果然或いは埋没し或い....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ざいます」というと、長官は少し笑を含み「そりゃもとより我々は同種族であるからその酷似しているのも怪しむべきでないけれども、その山水植物等もまたよく似て居るという....
近頃感じたこと」より 著者:小川未明
っていったのでした。 しかし、眼前の社会においても、甚だ原始的なる子供の本能と酷似した、残忍性のあるのを発見します。即ち、生き得る条件の下に置かれざる者にも、....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
ても同じ顔の人が二人、――俺の眼がどうかしているんじゃないか、とも思ったが、余り酷似なので異様な無気味さを感じた。が、また咄嗟にこんな事をも考えた。辰馬の急を知....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
っていましたの」 なるほどそう云われて見れば、新聞でよく見かける勝田男爵の顔に酷似りだった。 そこでS夫人は静かに語り出した。 「今ではもうすっかり開けてい....