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酸
「酸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
舞台監督のT君は、帝劇《ていげき》の露台《バルコニー》に佇《たたず》みながら、炭
酸水《たんさんすい》のコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの亜麻色《....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
月も風もさえぎられて、むし暑い暗がりが、絶えまなく藪蚊《やぶか》に刺されながら、
酸《す》えたようによどんでいる。藤判官《とうほうがん》の屋敷から、引き揚げてきた....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
過去は暗いものだった。彼女は病家の主人だの病院の医者だのとの関係上、何度一塊の青
酸加里を嚥《の》もうとしたことだか知れなかった。この過去はいつか彼女の心に他人の....
「母」より 著者:芥川竜之介
候時には、もはや手遅れと相成り、――ね、よく似ているでしょう? 注射を致すやら、
酸素吸入《さんそきゅうにゅう》を致すやら、いろいろ手を尽し候えども、――それから....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
ですとも。誰でも大市に間《ま》に合うように思い思いの野菜を育てるのですからね。燐
酸肥料《りんさんひりょう》をやる、油滓《あぶらかす》をやる、温室へ入れる、電流を....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
》って死んでしまった。)僕等は明るい瑠璃燈《るりとう》の下《した》にウヰスキイ炭
酸《たんさん》を前にしたまま、左右のテエブルに群《むらが》った大勢《おおぜい》の....
「或る女」より 著者:有島武郎
すわれと顎《あご》を突き出して相図した。そして激しく手を鳴らした。
「コップと炭
酸水を持って来い」
用を聞きに来た女中にこういいつけておいて、激しく葉子をまと....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
のが小屋の中を出たり這入《はい》ったりした。仁右衛門夫婦の嗅《か》ぎつけない石炭
酸の香は二人を小屋から追出してしまった。二人は川森に付添われて西に廻った月の光の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
られているようだけれども、一軒一軒に立ち入ってみると、このごろの岩内の町には鼻を
酸くしなければならないような事がそこいらじゅうにまくしあがっていた。ある家は目に....
「親子」より 著者:有島武郎
たけれども畦道をやや広くしたくらいのもので、畑から抛り出された石ころの間なぞに、
酸漿の実が赤くなってぶら下がったり、轍にかけられた蕗の葉がどす黒く破れて泥にまみ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
体となってのみ個性の中には生きているのだ。水を考えようとする場合に、それを水素と
酸素とに分解して、どれ程綿密に二つの元素を研究したところが、何の役にも立たないだ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
、先刻私が譲った座に移って、ひたひたと自分に近づいた。乾きかけたオヴァオールから
酸っぱい汗の臭いが蒸れ立って何とも云えぬ。 云うにゃ、 と更に声を低くした時....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
した……。私の父は旗色の悪い南朝方のもので、従って私どもは生前に随分数々の苦労辛
酸を嘗めました……。』 問『まあそれはお気の毒なお身の上……私の身に引きくらべて....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
うけの蜜柑も太だ小さい。僕は殊にこの蜜柑にアララギらしい親しみを感じた。(尤も胃
酸過多症の為に一つも食えなかったのは事実である。) 島木さんは大分憔悴していた....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーが喜んだのは、永久ガスが普通の蒸気と同様にで偏光面が廻転した時である。
酸素やビスマスも磁性のあることを知った時である。 ファラデーは研究している間、....