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酸素吸入
「酸素吸入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
酸素吸入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
候時には、もはや手遅れと相成り、――ね、よく似ているでしょう? 注射を致すやら、
酸素吸入《さんそきゅうにゅう》を致すやら、いろいろ手を尽し候えども、――それから....
「臨終まで」より 著者:梶井久
、悪寒がたびたび見舞います。そして其の息苦しさは益々目立って来ました。この日から
酸素吸入をさせました。そして、彼が度々「何か利尿剤を呑む必要がありましょう、民間....
「縮図」より 著者:徳田秋声
週間というもの、ほとんど徹宵付ききりで二人の看護婦を督励し、ひっきりなしの注射に
酸素吸入、それにある部分は冷やし、ある部分は温めもしたり、寝食を忘れて九死に一生....
「墓」より 著者:宮本百合子
一 幾枝はすっかり体を二重に曲げ、右の肱を膝にかって、良人の鼻の上に
酸素吸入のカップを当てがっていた。病床の裾近いところに、行燈形のスタンドがともっ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ある。空気がうすいから、肺の弱いものは、生きていられないであろうと思う。もっとも
酸素吸入をやればいいことはわかっているが、火星へ着いてから、果して我々たくさんの....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
せんね。すると人間は、呼吸ができないではありませんか」 「それはわけのない話だ。
酸素吸入をやればよろしい。われわれも現に噴行艇の中で、こうして
酸素吸入をしながら....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
丼は無事平げましたが。 ざっとこういう一日でした。これはほんのあらましの話で、
酸素吸入をするとか、それがないとか、注射をするとか、その針がないとか、バタバタで....
「香奠」より 著者:豊島与志雄
。氷や氷嚢を買って来て貰ったり、知り合いの医学士に来て貰ったり、看護婦をたのんで
酸素吸入をさしたり、出来るだけのことはしたそうですが、もう手後れだったのです。電....
「街の探偵」より 著者:海野十三
た。 『研究員、松下清太郎。三十一歳――か』と軍医はひとりで肯いていたが『よし、
酸素吸入を行う。それからカンフルの用意だ』
酸素吸入が始まると、蒼白だった病人....
「新春・日本の空を飛ぶ」より 著者:坂口安吾
が外套を預る。真冬の四千メートルの高空を二〇度の適温で旅行させてくれる。落下傘や
酸素吸入器など前世紀的なものはここには存在しない。爆音も有って無きが如く、普通に....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
ひきあげる前後の状況はだいたい事実だったように思います」 「それで?」 「ずっと
酸素吸入をしていましたが、今のところまだ意識不明です」 「病院へ送ったろうね」 ....
「麻酔剤」より 著者:田中早苗
なり私を押し除けて、患者の顔へ身をかがめると、 『呼吸が止まってるじゃないか……
酸素吸入か……エーテルを……早く早く……』 けれども、もう手遅れでした。可哀そ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
市長もまったく驚いてしまった。 とにかく、教育者を通じての煤煙禁止運動は教師の
酸素吸入が不足であったためにまったく不成功に終ったということだけは市長もよく合点....
「童子」より 著者:室生犀星
一つは伊織のおばさんが持ち、他の一つは車やの鈴木が水をさし、妻と看護婦が交る交る
酸素吸入の口を向けた。炭火を起したりつぐために夏は忙しかった。夜中に、も一人看護....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
吉というドクターが来たので魯迅さんが悪いといったらすぐに見に行ってくれた。そして
酸素吸入をしなければいけないというので、それを取りよせた。そうして
酸素吸入をかけ....