酸苦[語句情報] » 酸苦

「酸苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

酸苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
れなりで今日の救命袋とはなり得ない。しかも、今日を明日へ押しすすめるべき未熟な、酸苦くはあるがそれが核であることだけは確であった世界観のよりどころを、自分の手で....
『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
いては同じ本質をもっていることだろう。 永瀬さんは、女の歴史、日本の女の成長の酸苦を「麦死なず」のなかにうたっている。 私らにとっては樹木が自然の季節を知る....
新日本文学の端緒」より 著者:宮本百合子
文学は本質において一つのたつきの道ではない。私たち総てが、この数年来経つつある酸苦と犠牲とを、新しい歴史の展開の前夜に起った大なる破産として理解し、同時にそれ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
てくわえて妻は喘息、それがしは疝痛《せんつう》。ふたり枕をならべてどっと病みふす酸苦《さんく》。伜のひとつ手ではとうてい七人の口をすごしかねる。日々のたつきも立....
金狼」より 著者:久生十蘭
た。どんな夢であったか、思いだすことは出来なかったが、多分それは、自分の過去の、酸苦なある一日の出来ごとらしかった。……彼女の過去には、ここではふれぬことにしよ....