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醇乎
「醇乎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醇乎の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
ろう。自然の力はここにおいて尊《たっ》とい。吾人の性情を瞬刻に陶冶《とうや》して
醇乎《じゅんこ》として醇なる詩境に入らしむるのは自然である。 恋はうつくしかろ....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
重のさし向い、安らかに眠っている。今日の我らが人情の眼から見れば、松陰はもとより
醇乎として醇なる志士の典型、井伊も幕末の重荷を背負って立った剛骨の好男児、朝に立....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る男では無《ね》え、むしろ漢詩の形を仮りて日本を歌ったものだ、彼に於て、はじめて
醇乎《じゅんこ》たる日本詩人を見るのだ、意気と、声調を以て日本を歌ったものに、古....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
熱をもしずめる、そして精神のうちにさわやかな柔らかい潤《うるお》いを生じさして、
醇乎《じゅんこ》たる思索の、あまりに峻厳《しゅんげん》な輪郭をなめらかにし、処々....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
の行雲流水の境地には比すべくもないのである。水もとまらず、影も宿らず、そのお尻は
醇乎としてお尻そのものであり、明鏡止水とは、又、これである。 乳くさい子供の香....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
になったという。 だから彼らが始祖の女学生を神様に祭りあげるのは、ムリがない。
醇乎たる感謝の一念である。おまけに、火口自殺というものは、棺桶代も、火葬の面倒も....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
に用いても、立派な役目を果たすのである。そして美味くできれば、その味、簡適にして
醇乎、まことに一端の食通をもよろこばすことができる。なまなかてんぷらなぞ遠く及ば....