醇化[語句情報] » 醇化

「醇化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

醇化の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
想片」より 著者:有島武郎
英雄的な態度のように見える。しかしながら本当に考えてみると、その人の生活に十分の醇化《じゅんか》を経ていないで、過去から注ぎ入れられた生命力に漫然と依頼している....
三四郎」より 著者:夏目漱石
にあらず、真を体せる人の講義なり。舌の講義にあらず、心の講義なり。真と人と合して醇化《じゅんか》一致せる時、その説くところ、言うところは、講義のための講義にあら....
画室の言葉」より 著者:藤島武二
こそ即ち天衣無縫の境地であるに外ならない。苦心は誰でもするが、その苦心がすっかり醇化されることは非常に困難である。如何にも天衣無縫らしく見せかけてあるが、実は方....
「女らしさ」とは何か」より 著者:与謝野晶子
力で失われよう。教育の進歩に由って、唯だ益々それが動物的の親性から人間的の親性へ醇化されて行くばかりです。現代の父母が如何に前代に比べて、その子に対する愛が進化....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いての疑問もとりのけられてはいなかったのです。作家としてのよりひろがりと深化と芳醇化とをはげしく求める気持がある。そこから。あなたを目の先におかずに、という風な....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
の口にも、類型風の発想がくり返される事になった。そうして其が民謡を生み、抒情詩と醇化して行った。而も日本の古代文章の発想法は、囑目する物を羅列して語をつけて行く....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
や、ましてや時代の違いからばかりではあるまい。何故ならそこに見られるものは単なる醇化作用ではなく、いわば強い昇華作用が働いているからだ。これが影響の最も望ましい....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
しく結上げた束髪が如何にも日本臭いと同様の臭味があった。二葉亭のは根本から欧文に醇化され、極めて楽に日常用語を消化して全く文章離れがしていたが、美妙のはマダ在来....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
れをくんだものでないということにはならない。グプタ朝芸術は恐らくガンダーラ美術の醇化であろう。あるいはまた、ギリシア精神のインドにおける復興とも見られるであろう....
三国志」より 著者:吉川英治
、師たるものを重んじ、その徳を涵養させた。また内治の根本は吏にありとなし、吏風を醇化し吏心を高めさせた。吏にしてひとたび涜職の辱を冒す者あれば、市に曝して、民の....