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醍醐味
「醍醐味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醍醐味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
は無戒の比丘《びく》じゃが、既に三観三諦即一心《さんかんさんたいそくいつしん》の
醍醐味《だいごみ》を味得《みとく》した。よって、和泉式部《いずみしきぶ》も、道命....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
その境界がいかに尊く難有きものであるかを幽かながらも窺うことが出来た。そしてその
醍醐味の前後にはその境に到り得ない生活の連続がある。その関係を私はこれから朧ろげ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
ばわからない。所謂あたらしい男だけが味い得るところの天与の美果である。この清潔の
醍醐味が欲しかったら、若き詩人よ、すべからく当道場を御訪問あれ。 もっとも君は....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
る。みぞれをかいてもらって、それへラムネをかけて飲む。舌の上がぴりぴりとしてその
醍醐味《だいごみ》は蒼涼《そうりょう》。蝉取りの少年が沢山遊んでいる。どおんと眠....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろによると、欧羅巴文明の糟粕《そうはく》かも知れない。かの糟粕を究めつつ、自家の
醍醐味《だいごみ》も知らないということになると、いい笑い物だ。 学問、研究、知....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
はは」
とこの豁達《かったつ》な笑いに忠相もくわわって、ともに語るにたる親交の
醍醐味《だいごみ》が、一つにもつれてけむりのように立ちこめる。
裾をたたいて着....
「脱出と回帰」より 著者:中井正一
彼が選んだもの以外には耳をかたむけようとはしないであろう。 その彼の味わうその
醍醐味を、大衆は見て、また彼らは彼らの娯楽ともいえるところの悦楽にひたるのであっ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
た短歌から見ると、江戸の俳句の行きあしは遥かに進んで居る。 而も俳句がさびを芸の
醍醐味とし、人生に「ほっとした」味を寂しく哄笑して居る外なかった間に、短歌は自覚....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
いた、“Prau”にのって……かれは絶海をゆく扁舟の旅にでた。そして、海洋冒険の
醍醐味をさんざん味わったのち、ついに九月二日の夜フインシャハに戻ってきた。――話....
「寒鮒」より 著者:佐藤垢石
静寂といおうか、閑雅といおうか、釣りの
醍醐味をしみじみと堪能するには、寒鮒釣りを措いて他に釣趣を求め得られないであろう....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
。 翁は外国にあって――わけても英・独・米等の地に永く留まって、フランス料理の
醍醐味を遍からしめたので、『美食の大使』とも呼ばれていた。 ロンドンのサボイ・....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
遠ざかることである。わずかに滲み出る血液くらいでは致死量に至らないようだ。むしろ
醍醐味となって、美味の働きをしているのかも知れない。いずれにしても、肉を生身で食....
「娘」より 著者:岡本かの子
の家の遠縁に当り、嘗て彼女をスカールへ導き、彼女に水上選手権を得させ、スポーツの
醍醐味も水の上の法悦も、共に味わせて呉れた男だった。 親切で厳しく、大事な勝負....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の親戚からもらったといっていました。Aさんも相州の人だそうです。」 「ほう、あの
醍醐味かね。」と私は驚いた。 実はこういうことがあったのである。 私がまだ伝....
「涙香に還れ」より 著者:野村胡堂
合って、互に重複したものを交換し合い、騒がしい世の姿とかけ離れて、静かに涙香物の
醍醐味に没頭し、箇中《こちゅう》の境地を楽しんだことは、個人的な思い出ではあるが....