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醒
「醒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
った火鉢を抱え、居睡《いねむ》りもせずに坐っていた。玄鶴は、――玄鶴も時々は目を
醒《さ》ましていた。が、湯たんぽが冷えたとか、湿布が乾いたとか云う以外に殆ど口を....
「河童」より 著者:芥川竜之介
君。さらば。わが善良なる諸君。
ホップ夫人は最後の言葉とともにふたたび急劇に覚
醒《かくせい》したり。我ら十七名の会員はこの問答の真なりしことを上天の神に誓って....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
なかった。従って僕は彼の言葉に多少の反感の起るのを感じた。同時にまた酔《よい》の
醒《さ》めて来るのも感じた。
「僕はもう帰る。」
「そうか? じゃ僕は……」
「....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
あいまい》だった。それが何故《なぜ》か唐突と、洋一の内に潜んでいたある不安を呼び
醒ました。兄は帰って来るだろうか?――そう思うと彼は電報に、もっと大仰《おおぎょ....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
も確かにこの運転手には会ったことがあると思っていた。が、どこで会ったものかは目の
醒《さ》めた後もわからなかった。
「それがふと思い出して見ると、三四年前にたった....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、反《かえ》って彼はそのために、前よりも猶《なお》安々《やすやす》と、いつまでも
醒《さ》めない酔《よい》のような、怪しい幸福に浸《ひた》る事が出来た。
一年ば....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
んだ夢なの。そこへ汽車が来たものだから、――」
「轢《ひ》かれたと思ったら、目を
醒《さ》ましたのだろう。」
夫はもう上衣《うわぎ》をひっかけ、春の中折帽《なか....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
かえったのは、それから三十分ばかり後《のち》の事でございます。妻は、私が失神から
醒めたのを見ると、突然声を立てて泣き出しました。この頃の私の言動が、どうも妻の腑....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
の手紙を書いています。ここはもう初秋《しょしゅう》にはいっています。僕はけさ目を
醒《さ》ました時、僕の部屋の障子《しょうじ》の上に小さいY山や松林の逆《さか》さ....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ち二人とも人力車に乗って行った。僕は時々|居睡《いねむ》りをし、はっと思って目を
醒《さ》ます拍子に危く香炉を落しそうにする。けれども谷中《やなか》へは中々来ない....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
こういう怪談を覚えている。――ある日の午後、「てつ」は長火鉢に頬杖をつき、半睡半
醒の境にさまよっていた。すると小さい火の玉が一つ、「てつ」の顔のまわりを飛びめぐ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
るのかも知れない。 二 復讐 僕はこのホテルの部屋に午前八時頃に目を
醒ました。が、ベッドをおりようとすると、スリッパアは不思議にも片っぽしかなかった....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
大町先生に最後にお目にかゝったのは、大正十三年の正月に、小杉未
醒、神代種亮、石川寅吉の諸君と品川沖へ鴨猟に往った時である。何でも朝早く本所の一....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
一昨年の冬、香取秀真氏が手賀沼の鴨を御馳走した時、其処に居合せた天岡均一氏が、初対面の小杉未
醒氏に、「小杉君、君の画は君に比べると、如何にも優しすぎるじゃないか」と、いきな....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
いが、その間に君の名声が大いに挙り出したのも事実である。自分はその時君と、小杉未
醒氏の噂を少々した。君はいが栗頭も昔の通りである。書生らしい容子も、以前と変って....