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醜劣
「醜劣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醜劣の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
婦を感じた。俺は泣くに泣かれぬ気持で、後にノケ反って頭髪を掻きむしった。俺という
醜劣きわまる野郎と、淫売婦というどこまで自己を虐げるのかケジメのたたない怪物を一....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
ので、どこにもしっかりした骨組みがなく、柔軟でぐにゃぐにゃしているところの、一の
醜劣な蠕虫《ぜんちゅう》類にすぎないだろう。反対に一方の眼でみれば、定律詩は形式....
「惨めな無我夢中」より 著者:宮本百合子
態度にあると思います。 相互に真実な愛もなく、一方は無智による無我夢中、一方は
醜劣な獣心の跳梁にまかせての性的交渉が結ばれたとしたら、そして、その百鬼夜行の雰....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
侯の家老が、大阪町人を上座に据えて、その前に平身低頭して借金を申し入れる――その
醜劣なる光景を拙者も目《ま》のあたり実見いたしておりますよ」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
く》の害毒削除の威力を示すが、竪の淫眼のみは、いつでも貪著と、染悪《せんお》と、
醜劣と、汚辱《おじょく》とを覗いてやまぬものだ」 「ははあ……」 神尾主膳は苦....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。ただある古い曲調――三、四の――あるものはきわめて麗わしく、あるものはきわめて
醜劣であったが、いずれも皆等しく定評のある曲調、それだけがとくに、比較的沈黙を受....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
君の勝手である。しかし音楽については――いい加減によしてもらいたい。神聖なものと
醜劣なものとを同じ籠《かご》の中に投じながら、すなわち諸君がいつもなしてるように....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
スビイユはずいぶん卑劣な性で、それでいて浅薄な野心家でして、両海運河事件には実に
醜劣な仕事をしていたのでございます。収賄ですか? きっとしています。しかしそんな....
「赤い壺(二)」より 著者:種田山頭火
か。 傷づけられて――傷づけられることによって生きてゆくものがある。 自己の
醜劣に堪え得なくなって、そして初めて自己の真実を見出し得るようになる。 義人は....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
よりも、他人を傷つけることを恐れているところに今はいるのです。つまり自分の無力や
醜劣やを感じてネガチブにばかり、反省せられる時にいるのだと思います」 「そうです....
「妾宅」より 著者:永井荷風
熱心家でありながら、平然として何の気にする処もなく、請負普請《うけおいぶしん》の
醜劣俗悪な居室《きょしつ》の中《なか》に住んでいる人があると慨嘆している。これは....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
に上ぼせた。 経済問題では、彼等の臆病はもっともっと大きく、そしてもっともっと
醜劣なものだった。封建制度はもう事実上存在しない。領主は百姓どもに逐われて国外に....