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醵金
「醵金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
醵金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
で買わされるとかで、かなり多額の出費をしていたからである。そんなわけで、集まった
醵金《きょきん》は実に瑣々《ささ》たるものにすぎなかった。そこで或る一人の男がつ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ま》して我は惜しむに足らず母を託する方なしと歎くと虎が放ち去った、里人輩感心して
醵金を遣り虎残と名づけた。また楊豊虎に噛まる、十四になる娘が手に刀刃なきに直ちに....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
徒が二三人寄って相談をしている。間食の相談である。大抵間食は弾豆か焼芋で、生徒は
醵金《きょきん》をして、小使に二銭の使賃を遣って、買って来させるのである。今日は....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
人がおおぜい出てきて、おもしろがって笑っていたそうである。その時分には有志の者が
醵金《きょきん》して構内に厩《うまや》をこしらえて、三頭の馬と、馬の先生とを飼っ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
がったであろうか。 立川の飛行聯隊の用意は、整ったであろうか。 東京市民が、
醵金をし合って献納した十五機から成る東京愛国飛行隊は、どうしているであろうか。 ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
三君之墓、下に辱知有志と刻んであった。荻生さんと郁治とが奔走して建てたので、その
醵金者の中には美穂子も雪子もしげ子もあった。 一人息子を失った母親は一時はほと....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
によると、之は全国で少くとも月額六万円に達する見込みだそうだ。陸軍部内では、単に
醵金するばかりでは軍部らしくないとして、陸軍部内の武官文官打ち揃って、組織的な救....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
え、又は道義的感触を強要するものなのである。 義金は無論この道義的感触に訴えた
醵金のことであり、或いは又、街頭や紙上でおのずから道義的感触を強要された結果の醵....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
も浮んで来た。魯文は湯島の妻恋下に住んでいた。魯文の住んでいた家は、二人の書肆が
醵金して買ってくれたもので、間口九尺二間、奥行二間半、表の室の三畳敷は畳があった....
「白痴」より 著者:坂口安吾
公平に関係を結んだそうで、そのうちの誰かの種を宿したわけだ。そこで町会の役員共が
醵金してこの屋根裏で子供の始末をつけさせようというのだが、世間は無駄がないもので....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
着《ちゃく》し、その地の有志荻野氏および天野氏の尽力によりて、同志を集め、結局|
醵金《きょきん》して重井《おもい》(変名)、葉石《はいし》等志士の運動を助けんと....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
適するような、お定まりの言葉の羅列にすぎなかった。また、全校生徒が特別に一円ずつ
醵金して贈呈するはずであった記念品も、まだ用意が出来ていなかった。そして、送別式....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
客分として招聘せられたが、かの女はいずれにも応じなかった。そこで十五少年の父母は
醵金をしてケートのために閑雅な幼稚園を建て、その園長に推薦した。 まもなく市民....
「墓」より 著者:正岡子規
……………日の立つのは早いもので最《も》う自分が死んでから一周忌も過ぎた。友達が
醵金《きょきん》して拵《こしら》えてくれた石塔も立派に出来た。四角な台石の上に大....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
を奨励しかつ誇っているのに私は一驚しましたが、しかし使用する機械だけは部落全体の
醵金によって、最も能率のあげられる精鋭なものに次から次へと買い換えて、部落の専門....